著者
松岡 弘大 川埼 恭平 田中 博文 常本 瑞樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.146-164, 2021 (Released:2021-02-20)
参考文献数
58
被引用文献数
3 6

列車通過時に共振が生じる橋梁(共振橋梁)は,乗り心地や付帯構造物への悪影響のほか,対策を要する場合もあり,適切に検知する必要がある.本研究は,走行列車の先頭車両と最後尾車両で計測した車体上下加速度を利用し,膨大な数の橋梁から共振橋梁を網羅的かつ効率的に検知する手法を検討した.共振橋梁に特有の振動成分について理論的に分析したうえで,フィルタ・包絡線処理と先頭および最後尾車両の差分処理で構成される車上計測データによる共振橋梁の検知手法を提案した.数値解析により検知精度を検証したうえで,実路線の営業車両で計測された車体上下加速度に提案手法を適用し,共振橋梁を抽出するとともに,抽出した橋梁の共振状態を地上計測により検証した.
著者
貝戸 清之 小林 潔司 青木 一也 松岡 弘大
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.255-271, 2012 (Released:2012-10-19)
参考文献数
36
被引用文献数
12

社会基盤施設の劣化過程においては,施設の構造特性や使用・環境条件の違いにより劣化速度に多大な異質性が存在する.個々の施設に特有な異質性がもたらす劣化速度の過分散の問題を克服するために,施設グループ間の劣化速度の異質性を明示的に考慮した混合マルコフ劣化ハザードモデルが提案されている.本研究では,劣化速度の過分散が,施設グループ間における劣化速度の異質性と,グループを構成する個々の施設間における異質性というレベルの異なるつの異質性が複合された結果により発生すると考える.その上で,階層的異質性を導入した混合マルコフ劣化ハザードモデルを定式化し,その階層ベイズ推計法を提案する.最後に,橋梁床版に対する目視点検データを用いた実証分析を通して,本研究で提案する手法の妥当性を検討する.