著者
渡部 勇市 松島 早苗
出版者
Japan Association for Fire Science and Engineering
雑誌
日本火災学会論文集 (ISSN:05460794)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.11-18, 1999

地震の強さと歩行速度の関係を起震機の振動台上での歩行実験により調べた。実験では,振動は水平単振動とし,進行速度は振動方向に対し45°の方向に,また移動距離は室内を想定し2mとした。歩行速度は約震度4からゆるやかに低下し始め,強くなるにしたがい低下の割合は増加した。床面の振動因子の中で,歩行速度との関係を1因子で表すことができたのは最大速度であり,歩行速度は床面の最大速度が大きくなるにしたがいほぼ直線的に低下した。歩行速度に個人差はあるが,男性,女性による平均歩行速度ではほとんど差がなかった。しかし,女性の方が弱い地震動で歩行限界に達した。地震時の心理的不安等による歩行障害については,今後の研究課題である。<br>(オンラインのみ掲載)