著者
河村 フジ子 松崎 紀子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.270-275, 1974-07-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
7

牛乳の熱凝固におよぼすキャベツ汁の影響をみた結果を要約すると次の通りである.1) キャベツの生汁は, 牛乳を凝固させやすく, 次に加熱汁, 加熱浸出液の順であった.2) キャベツは産地によって成分, 緩衝能に個体差がかなりあり, 汁にした場合のpHが低く, CaおよびMgの多いもの程牛乳を凝固させやすい.3) 緑色部の多いキャベツは, 汁のpHが低く, Ca およびMgが多く含まれているので牛乳を凝固させやすい.4) キャベツは, 包装して貯蔵すると鮮度が保持できて, 牛乳を変化させにくい.5) キャベツを煮る時, 細かく切ると, 短時間に成分が溶出し, ふたをして煮ると酸がふえて汁がにごり, 食塩を加えて煮ると, 酸は少ないがpHが低下し, Ca, Mgの溶出量が増加し, 汁の透明度は増す.6) キャベツ汁に牛乳を加えて加熱する時, 90℃以上で長く加熱すると, 牛乳は変化しやすい.