著者
松本 みゆき 金井 篤子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第85回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.PQ-010, 2021 (Released:2022-03-30)

異文化適応は,海外で生活する人びとが現地生活にどれくらい馴染んでいるかを示す概念であり,彼らの精神的健康や行動のパフォーマンスを促進することが示されている。海外派遣者の女性配偶者は,その多くが海外帯同のため仕事を辞めたり,帰国後も就職をためらったりするなど,キャリア意識の構築が難しい。一方,異文化適応がキャリア意識に影響を及ぼす可能性が指摘されている。しかし,彼女らの異文化適応が帰国後のキャリア意識に影響を及ぼし,キャリア意識がどのように変化するかについて着目した研究はこれまでにない。本研究はこれらについて明らかにするため,帰国した海外派遣者の女性配偶者に対してインタビュー調査を実施した。分析の結果,直近の帯同で滞在していた国における異文化適応が高い人は低い人に比べて,ポジティブなキャリア意識を持っていることが明らかになった。また帯同前と比べて,キャリア意識が変化したと考えていることが示された。異文化適応は帰国後のキャリア意識に影響を及ぼすことが明らかになった。
著者
松本 みゆき ゴパル バイジュ
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第84回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.PQ-005, 2020-09-08 (Released:2021-12-08)

海外駐在員配偶者は,配偶者の海外赴任に伴って海外で生活する海外駐在員の家族のことで,その大半が女性であり,現在の状況ではその多くが海外転居に伴い,仕事を辞めている。そこでキャリアの分断を経験するため,帰国後復職する者が少ないことが指摘されている。このような状況のなか,海外駐在員配偶者は海外滞在中や帰国後に,自らのキャリアについて悩むことが多く,彼らの異文化適応にも影響を及ぼすことが考えられる。海外駐在員配偶者ついての先行研究はいくつかあるが,その問題は海外駐在員配偶者が持つライフキャリアに対する視点が欠けていることである。異文化適応は仕事や家庭,社会でどう生きるかという人生の見通しである「ライフキャリア観」にも大きな影響を及ぼすと考えられるが,それについて扱った先行研究は国内外でもほとんどない。このことは海外駐在員配偶者の異文化適応を把握する上では問題が大きい。そこで本研究では,海外駐在員配偶者の異文化適応について,仕事や家庭,社会でどう生きるかという人生の見通しである「ライフキャリア観」の観点から検討する。