著者
大家 千恵子 松本 エミ子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.110-118, 1986-07-20
被引用文献数
1

かるかんの材料配合, 調理手法, 米粉の粒度などが調理製品の性状に及ぼす影響を, 製品の官能検査, 物性測定, 顕微鏡観察によって調べた。1. かるかんの材料配合比は生山芋, 水, 砂糖, 米粉の比が1:1:2:1.3, 乾燥粉末山芋では1:4:2:1.3が好ましい。調理手法はすりばち-すりこぎ法で良い結果が得られた。2. かるかんは官能検査の結果から, 米粉粒度60メッシュを用いたものが好ましく, 粒度の小さいものはカステラ様の感触のものとなる。3. かるかんの顕微鏡観察で米粉粒度のちがいがみられ, また, 山芋の蓚酸カルシウム針状結晶がそのまま残存し, 完全に糊化していない山芋でんぷんも観察された。
著者
松本 エミ子 峯木 真知子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.183-187, 1981-10-20
被引用文献数
2

グリーンピース・スープの材料の破砕について、冷凍グリーンピースを用い、加熱時間、破砕方法の影響を組織学的に調べ、官能検査を行った。1) 冷凍グリーンピース・スープの豆分散物の形状はビマン状の澱粉、蛋白質のほか、細胞細片、遊離澱粉粒、単離澱粉貯蔵細胞、破砕組織片などである。2) 冷凍グリーンピースの破砕は、裏ごしとミキサーで差がみられるが、加熱時間の影響は小さい。破砕後加熱すると破砕時の分散物の状態は大差なくなる。3) 冷凍グリーンピースを用いたグリーンピース・スープでは、官能検査結果から5分力加熱の豆でもミキサーを使用することで簡便に満足できるスープが得られる。なお、グリーンピース・スープにおいてグリーンピースの破砕程度と添加物によるスープの色、物性なと多くの問題があり、今後の興味ある課題であると考える。