著者
山田 里恵 春日 重光 丁沢 賢治 松本 理絵 宇南山 聡美 萩原 小百合
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報 (ISSN:03888061)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.93-96, 2008

準高冷地で4月中の早刈りが可能で多収なライムギ品種の育成に関する基礎的な知見を得るため,ライムギ市販品種の「春香」(晩生),「春一番」(早生),「キングライ麦」(早生),「ライ太郎」(極早生)を育種素材に用いて育成・選抜した極早生ライムギ系統の特性評価を行った.供試材料には市販の4品種およびこれらを育種材料として早熟性と収量性で選抜・育成した4系統群10系統を用いた.その結果,全ての育成系統で育種材料とした市販品種より早生化か認められ,その平均出穂日は4月22〜28日であった.また,乾物収量についても大幅な減収は見られなかったことから,市販品種を育種素材とした極早生・多収ライムギの選抜・育成は十分可能であると考えられた.
著者
松本 理恵 今井 茂郎 佐々木 なおみ
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.72, no.8, pp.1969-1973, 2011 (Released:2012-02-25)
参考文献数
11

症例は68歳,男性.1993年3月浸潤型胸腺腫を伴った重症筋無力症に対し拡大胸腺摘出術,心膜・右肺・左腕頭静脈合併切除を施行した.術後縦隔に放射線照射施行し,外来で定期的経過観察を行っていた.2010年5月近医で胸部X線上異常影を指摘され,当院を紹介受診した.画像検査および生検にて胸腺腫の全身転移(右胸壁転移,多発骨転移,縦隔リンパ節転移,副腎転移,臀筋転移)と診断した.まず仙骨骨転移に対し,放射線照射を行い,続けて全身化学療法を行った.胸壁転移巣のみ縮小したが,他の転移巣は治療に抵抗性であった.胸腺腫の再発は局所進展が主体で,遠隔転移は稀である.また本症例の転移巣はthymoma(TypeB2,B3),thymic carcinomaが混在して存在し,化学療法への反応性も異なっていた.文献的考察を加え報告する.