著者
清沢 敦志 後藤 和美 宮坂 幸弘 海内 裕和 春日 重光 高井 智之 原 拓夫
雑誌
長野県畜産試験場研究報告 (ISSN:03893545)
巻号頁・発行日
no.33, pp.54-60, 2015-03

ソルガム雄性不稔系統「那系MS-3A」を種子親、スーダングラス自殖系統「JN501」を花粉親とする単交配一代雑種ソルガム新品種「涼風」を育成した。「涼風」は高消化性遺伝子"bmr-18"を有する早生のスーダン型ソルガムである。年間乾物収量は標準品種「SSR4」と同等で、乾性であるため乾物率は1番草、2番草ともに標準品種よりも高い。倒伏は1番草、2番草ともにみられない。病害抵抗性は、すす紋病には"やや強"、紫斑点病には"中"、紋枯病には"やや強"である。高消化性遺伝子の導入により、茎葉の繊維成分は高消化性繊維(Oa)が多く、リグニン(ADL)が少ない。サイレージ調製における発酵品質は良好で、牛の嗜好性は高い。
著者
関沼 幹夫 春日 重光 岡部 繭子 畠中 洸 濱野 光市
出版者
信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
雑誌
信州大学農学部AFC報告 (ISSN:13487892)
巻号頁・発行日
no.14, pp.89-91, 2016-03

野辺山ステーションは,ソバを対象とした研究やそば打ち実習などの教育を行ってきた。また,2014年度に食堂・厨房設備の改修工事を終えてキッチンスタジオのような設備となった。その設備を活用したそば打ち集団向けの教育プログラムを行った。野辺山ステーションは,これまで以上に栽培から食品加工までを一貫して学べる場として,そばの文化・食品において重要な「そば打ち」を取り入れたプログラムが可能となり,今後の活用が期待される。
著者
関沼 幹夫 春日 重光 岡部 繭子 畠中 洸 濱野 光市
出版者
信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
雑誌
信州大学農学部AFC報告 (ISSN:13487892)
巻号頁・発行日
no.14, pp.89-91, 2016-03

野辺山ステーションは,ソバを対象とした研究やそば打ち実習などの教育を行ってきた。また,2014年度に食堂・厨房設備の改修工事を終えてキッチンスタジオのような設備となった。その設備を活用したそば打ち集団向けの教育プログラムを行った。野辺山ステーションは,これまで以上に栽培から食品加工までを一貫して学べる場として,そばの文化・食品において重要な「そば打ち」を取り入れたプログラムが可能となり,今後の活用が期待される。
著者
春日 重光 小坂 雄一 北原 茉依 小山内 光輔 関根 平 野宮 桂
出版者
信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
雑誌
信州大学農学部AFC報告
巻号頁・発行日
vol.14, pp.23-28, 2016-03-30

草型改良による生産性改良のため,ソルガム類の市販品種を用いて,草型・茎葉関連形質および乾物生産性について評価した。出穂期および葉身長,葉身幅,葉面積,着生角度,中央部および下部稈径,茎数,草丈の草型・茎葉関連形質間の関係および乾物生産性との関係から,中央部および下部稈径は,草丈,着生角度を除く他の草型・茎葉関連形質との間で中~高い相関関係が,また,乾物生産性との間でも中程度の相関関係が認められ,特に,中央部稈径は収量性を評価するための簡易な指標になると考えられた。これに対し,草型の指標の1つである着生角度は,他の草型・茎葉関連形質および乾物生産性との間でも相関関係は認められなかった。さらに,写真を利用したソルガムの草型解析の結果から,縦幅,縦幅の差,縦横比および空間面積の和など項目で,ソルゴー型が他のタイプとは大きく異なり,葉身は大きく,立葉であることが認められ,草型は立葉の方が乾物生産性に優れることが推察された。
著者
春日 重光 丸山 剛広 北原 茉依 岡部 繭子 小山内 光輔 野宮 桂
出版者
信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
雑誌
信州大学農学部AFC報告
巻号頁・発行日
vol.12, pp.41-45, 2014-03-26

ソルガム類の乾物生産性に関する基礎的な知見を得るため,我が国で流通しているソルガム類市販品種について,乾物分配率を中心に評価した。その結果,1株乾物重に及ぼす効果は,葉身および葉鞘の乾物分配率は負の方向に,茎の乾物分配率は正の方向に認められ,特に乾物生産性に及ぼす茎の重要性が認められた。さらに,葉身の乾物分配率と1株乾物重との関係から,ソルゴー型で未出穂・短~中稈である「風立」および「風高」の2品種は葉身の乾物分配率が高い割に,1株乾物重が高い値を示し,他の品種・系統と異なる乾物生産特性を示した。これら2つの品種が持つ乾物生産性,耐倒伏性,嗜好性および消化性などを考慮すると,今後,未出穂で短~中稈のソルゴー型へ,優良な特性を導入することで多用途利用に適した品種開発が可能であると考えられた。
著者
春日 重光 今井 康平 大谷津 明子 樋口 奈保子 吉澤 遥平 岡部 繭子 清沢 敦志 後藤 和美
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報 (ISSN:03888061)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.82-84, 2010

ソルガムの高糖性品種を開発するための素材として育成した2組合せのリコンビナントインブレッドライン(RIL系統)のF_4世代における特性評価を行った.その結果,2組合せのRIL系統は,出穂日や稈長および生茎重は2組合せの間で大きく異なるものの,ブリックス糖度の程度や変異については顕著な差は認められず,また,出穂日や稈長とブリックス糖度との関係についても2組合せの間で異なったことから,ブリックス糖度に関わる要因が供試した2組合せのRIL系統の間で異なっていることが推察された.
著者
佐塚 隆志 春日 重光
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

種子高糖性のSugary Feteritaと種子低糖性の那系MS-3Bの雑種F2集団の分離比を調べた結果、種子高糖性は劣性の1遺伝子による支配であると予想された。ラフマッピングの結果、原因遺伝子は第7染色体長腕に座乗していることが示唆された。この候補領域にはスイートコーンの種子高糖性の原因遺伝子であり、デンプン合成系酵素をコードするSU1のオルソログ(SbSU1)が確認された。 SbSU1の塩基配列を両親品種で調べた結果、SbSU1では2ヶ所で1アミノ酸置換を引き起こす多型が見出され、他の植物のSU1との比較からSugary Feteritaのアリルが変異型と考えられた。Sugary Feteritaの原品種Feterita(種子低糖性)では、種子での貯蔵デンプン合成が盛んな開花後11日頃にSbSU1の高発現が確認された。これらのことから、Sugary Feteritaではこの変異によって種子でのデンプン合成に障害が生じ、糖が蓄積する可能性が示唆された。
著者
関根 平 春日 重光 上條 佳郎 鈴木 裕太 芹沢 麻衣子 中津川 実里 西岡 杏子 芳川 諒 岡部 繭子
出版者
日本作物学会
雑誌
北陸作物学会報 (ISSN:03888061)
巻号頁・発行日
no.47, pp.97-99, 2012-03-31

育成した極早生ライムギ(SUR-1)と市販品種を供試し3ヵ年にわたり主要農業形質の生産力検定試験を行った.乾物収量については,「SUR-1」は3ヵ年とも市販の早生品種「春一番」や「キングライムギ」と有意差はなかった.出穂日については,「SUR-1」は2009, 2010年では市販の極早生品種「ライ太郎」と同程度だったが,両年に比べl〜3月の平均気温が低かった2011年では,「SUR-1」の出穂日は早生品種「春一番」や「キングライムギ」よりl〜2日遅かった.これらの結果から,「SUR-1」は準高冷地において冬期の気温が低い場合,市販の早生品種とほぼ同じ熟期で,乾物収量は「キングライムギ」と同程度だが「春一番」に比べやや劣る可能性がみられた.しかし,「SUR-1」の耐倒伏性は市販の早生品種に比べて優れていた.
著者
春日 重光 仲谷 侑子 船越 裕子 松本 理絵 野宮 桂
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報
巻号頁・発行日
vol.41, pp.117-118, 2006

ソルガムおよびスーダングラスの市販品種における再生性の品種・タイプ間差異をもとに再生性の評価法について検討した.その結果,1番草刈取り2週間後の草丈と茎数を指標とすることで,ソルガム類の再生性は,従来より,再生性に劣るといわれる子実型,兼用型,ソルゴー型(Sorghum bicolor Moench)と再生性に優れるスーダングラス(Sorghum sudanense (Piper) Stapf)および子実型ソルガムとスーダングラスのF_1であるスーダン型に区分された.
著者
山田 里恵 春日 重光 丁沢 賢治 松本 理絵 宇南山 聡美 萩原 小百合
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報 (ISSN:03888061)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.93-96, 2008

準高冷地で4月中の早刈りが可能で多収なライムギ品種の育成に関する基礎的な知見を得るため,ライムギ市販品種の「春香」(晩生),「春一番」(早生),「キングライ麦」(早生),「ライ太郎」(極早生)を育種素材に用いて育成・選抜した極早生ライムギ系統の特性評価を行った.供試材料には市販の4品種およびこれらを育種材料として早熟性と収量性で選抜・育成した4系統群10系統を用いた.その結果,全ての育成系統で育種材料とした市販品種より早生化か認められ,その平均出穂日は4月22〜28日であった.また,乾物収量についても大幅な減収は見られなかったことから,市販品種を育種素材とした極早生・多収ライムギの選抜・育成は十分可能であると考えられた.
著者
吉澤 遥平 春日 重光 今井 康平 大谷津 明子 樋口 奈保子 岡部 繭子
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報 (ISSN:03888061)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.75-77, 2010

2005年より極早生・多収を目標に選抜を行ってきたライムギ4系統(A,B,C,F)の生産力検定を行った.育成系統はいずれも標準品種「春一番」に比べ草丈は短く,倒伏の発生も少なかった.また,育成系統はいずれも標準品種「春一番」より早生であり,乾物収量においては同熟期の「ライ太郎」に比べ同等〜高い収量を示した.これらの結果から,育成した極早生系統は準高冷地において十分利用可能であると考えられた.