- 著者
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松柳 研一
- 出版者
- 一般社団法人 日本物理学会
- 雑誌
- 日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, no.7, pp.570-581, 1979-07-05 (Released:2008-04-14)
- 参考文献数
- 43
非常に大きい角運動量が与えられた極限状況の下で, 原子核の内部構造にどの様な質的変化が起るだろうか. 一つの可能性は, 個々の核子のもつ角運動量が一定の方向に整列することである. この極限においては, 集団的回転運動は消滅し, それに代わって"対称軸まわりの剛体的回転"という古典的液滴模型の描像が大局的には成立すると予想されている. 本稿では, 簡単な独立粒子模型の枠内で最近の実験データを検討しながら, この様な理論的描像を紹介する.