著者
家村 芳次 影山 由香里 松永 恒司 原 昌道
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.91, no.7, pp.515-520, 1996-07-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
29
被引用文献数
6 6

(1) 白米のアミロース含量, 心白および腹白の何れもが白米の吸水性に強く影響を及ぼした。また, アミロース含量は白米の最大吸水量に影響を与えるのに対し, 心白および腹白は主に白米の吸水速度に影響を及ぼした。(2) 心白米や腹白米の吸水率が高い要囚は, アミロース含量や蛋白含量など成分上の違いによるのではなく, 心白や腹白そのもの, すなわち米粒構造の違いによるものと推定した。終わりに貴重な試料米を提供下さいました北海道立上川農業試験場, 中国農業試験場, 灘五郷酒造組合酒米研究会の皆様に深謝いたします。本研究の概要は平成2年度日本生物丁学会大会にて発表した。
著者
松永 恒司 古川 恵司 原 昌道
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.97, no.7, pp.529-534, 2002-07-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
15
被引用文献数
4 4

1) 樽酒から簡便に杉樽由来成分を抽出する方法を設定した。2) GGMS分析の結果, 樽酒中で15種類のセスキテルペン類を同定した。3) 樽酒に含まれるセスキテルペン類は主にセスキテルペンアルコールであった。4) 樽材から抽出されるセスキテルペン類の量は, 貯蔵期間が長く, また貯蔵温度が高くなるほど多くなった。5) 樽材の木粉からエタノール水溶液で樽材成分を抽出したところ, エタノール濃度が高くなるほどセスキテルペンとセスキテルペンアルコールを合わせた総量は多くなった。総量に占める割合は前者が高くなった。6) 市販樽酒中のセスキテルペン類含量とアセトアルデヒド含量や着色度との間には相関は認められなかった。
著者
松永 恒司 溝口 晴彦
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.102, no.3, pp.168-171, 2007-03-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
4
被引用文献数
1

適量のアルコール飲料はリラックス効果を高めストレスの解消に役立つことは良く知られているが, 具体的にアルコールがどのようにストレスやリラックスに関係するか心理的側面からの研究報告はこれまでなかった。著者らはこの問題に取り組み, 飲酒前と飲酒後の気分の変化を心理テスト (POMS) を用いて分析し初めて明らかにした。本稿ではこれまで得られた知見を中心に解説して戴いたが, 今後はこのような心理テストのデータとストレス関連物質の変化との関連を解明するための発展的研究が期待される。