著者
松永 玄 山口 智史 鈴木 研 近藤 国嗣 大高 洋平
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11163, (Released:2016-06-04)
参考文献数
40

【目的】通所リハビリテーションを2 年間利用した脳卒中者の歩行能力と下肢筋力の変化を検討する。【方法】脳卒中者126 名(平均年齢64 歳)の利用開始時,利用後3,6,12,24 ヵ月の歩行能力と下肢筋力を,開始時の歩行速度によりHousehold 群(0.4 m/s 未満),Limited 群(0.4 m/s ~0.8 m/s),Full群(0.8 m/s 以上)に分類した。【結果】Household 群の歩行速度は,開始時と比較し,6 ヵ月以降で有意に向上し,麻痺側筋力は利用後12,24 ヵ月で有意な増加を認めた。Limited 群の歩行速度は,6 ヵ月以降で有意に向上し,麻痺側筋力は24 ヵ月で有意な増加を認めた。Full 群は有意な変化を認めなかった。【結語】2 年間の通所リハビリテーション利用により,生活期の脳卒中者においても歩行速度と下肢筋力は改善・維持することが示され,その傾向は開始時の歩行能力が低い群で特に得られることが示唆された。
著者
松永 玄 山口 智史 宮本 沙季 鈴木 研 近藤 国嗣 大高 洋平
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.106-111, 2018 (Released:2018-04-20)
参考文献数
12

【目的】本研究は,脳卒中者において,リハビリテーション特化型の通所リハビリテーション(以下,デイケア)の終了理由を利用期間別に調査し,デイケアの役割や利用の在り方を検討することを目的とした。【方法】脳卒中者114 名のデイケア終了理由を改善,死亡,入所,拒否,入院,その他に分類し,利用期間別に検討した。【結果】終了理由は,改善が24 名,死亡が16 名,入所が15 名,拒否が14 名,入院が9 名の順であった。その他は36 名であった。利用期間別でもっとも多い終了理由では,1 年未満では拒否,1 年以上2 年未満では死亡,2 年以上3 年未満および3 年以上4 年未満では改善と入所,4 年以上5 年未満では拒否,5 年以上では改善であった。【結論】終了理由は利用期間により異なることから,リハビリテーション特化型デイケアの役割が,脳卒中後の心身状態や生活環境の変化に関連して変化することが示唆された。サービス提供にはこの点に配慮が必要である。