著者
松沢 光雄
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.260-269, 1965-04-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
5
被引用文献数
2

新宿繁華街は,国電線路の東側に発達している.西側にも,線路添の道路と線略の間に飲食店街1)があるが,本研究では,線路の東側だけを対象にした。新宿における線路の東側と西側との関係については,別な機会に論ずることにする. 新宿繁華街に関係のある研究には,副都心研究会の研究,今朝洞重美氏の研究2),杉村暢二氏の研究3),服部〓二郎氏の研究4)等がある.本研究は,これらの研究との重複を避け,実地調査の結果を整理し,それをもとに繁華街の構造を考察した. 一っの繁華街を他の繁華街と比較検討したり,繁華街と他の地域の関係を観るのでなく,新宿繁華街の内部の状態を観察して,その実態を把握し,都市生活において,繁華街が,いかなる役割を果しているかを知る手がかりをつくろうとしたものである. 本研究で新宿繁華街を選択した理由は,新宿繁華街では。北部に広い住宅地域をもっていて,繁華街浸蝕5)が極めてスムーズに進行し,繁華街としては,比較的自然な形をもっているものと思われるためである.
著者
松沢 光雄
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.39, no.9, pp.618-624, 1966

(1) 渋谷繁華街を繁華街核心域(中心回遊路・回遊路内包域),回遊路外接域,周縁域の3地域に区分する. (2) 副都心を形成する新宿・渋谷・池袋の繁華街の構造上の共通点から,副都心構造の類型を導きだすことを試みた・しかし,副都心とよぼれる繁華街は,その数が少なく9特殊的事象と類型的事象との区別が困難である場合が多い.また,これら繁華街の構造および規模は,時代の経済事情に影響され装身具の流行(毛皮店)や,遊戯内容の変化等(トルコ風呂,スーパーマーケット,つり堀,レーシングカーなどの消長)の条件に反応すると思われる点もあって,固定的解釈をもつことは困難である.しかし,出来る限り,類型性をもつものを整理するようつとめた. (3) 繁華街構造の研究は,人間の快楽的要求と集落構造との関係の研究に外ならず,従って,心理学的立場からの考察が必要であるが,本論ではその面にはふれなかった.
著者
松沢 光雄
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.39, no.9, pp.618-624, 1966-09-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
1
被引用文献数
2

(1) 渋谷繁華街を繁華街核心域(中心回遊路・回遊路内包域),回遊路外接域,周縁域の3地域に区分する. (2) 副都心を形成する新宿・渋谷・池袋の繁華街の構造上の共通点から,副都心構造の類型を導きだすことを試みた・しかし,副都心とよぼれる繁華街は,その数が少なく9特殊的事象と類型的事象との区別が困難である場合が多い.また,これら繁華街の構造および規模は,時代の経済事情に影響され装身具の流行(毛皮店)や,遊戯内容の変化等(トルコ風呂,スーパーマーケット,つり堀,レーシングカーなどの消長)の条件に反応すると思われる点もあって,固定的解釈をもつことは困難である.しかし,出来る限り,類型性をもつものを整理するようつとめた. (3) 繁華街構造の研究は,人間の快楽的要求と集落構造との関係の研究に外ならず,従って,心理学的立場からの考察が必要であるが,本論ではその面にはふれなかった.