- 著者
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松浦 省己
生駒 亮
矢野 実裕子
松本 悠
羽田 華練
折舘 伸彦
- 出版者
- 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
- 雑誌
- 日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
- 巻号頁・発行日
- vol.124, no.3, pp.225-230, 2021-03-20 (Released:2021-04-03)
- 参考文献数
- 15
SAPHO 症候群の主な症状は皮膚症状と骨症状であり, 皮膚症状としては掌蹠膿疱症が多く, 骨症状は関節痛で胸肋鎖関節に多い. 治療は非ステロイド性抗炎症薬などによる対症療法が主体である. 近年, 口蓋扁桃摘出術により関節・皮膚症状が改善されたと報告されている. 今回われわれは, 口蓋扁桃摘出術により関節痛が著明に改善した SAPHO 症候群の一例を経験した. 症例は53歳, 男性. 急性扁桃炎, 掌蹠膿疱症の精査加療目的で入院. 掌蹠膿疱症と同時期発症の腰痛あり, CT, MRI, 骨シンチグラフィ所見から SAPHO 症候群と診断した. 退院後, 急性扁桃炎を再発, 掌蹠膿疱症の悪化と胸肋鎖関節痛が出現したため, 両側口蓋扁桃摘出術を施行. 術後は速やかに皮疹, 関節痛は軽快した.