著者
野島 雄介 生駒 亮 松浦 省己 長岡 章平 長田 侑 折舘 伸彦
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.233-238, 2017-06-10 (Released:2017-07-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1

口腔咽頭アフタを来たす疾患としては感染症が多いが, 膠原病を含む自己免疫性疾患など全身疾患に伴う口腔咽頭アフタも存在する. 今回我々は, 抗菌薬に反応しない口腔咽頭アフタを認め, 最終的に不全型ベーチェット病と診断した一例を経験した. ベーチェット病は, 口腔内アフタ, 皮膚症状, 外陰部潰瘍, 眼症状を主症状とする慢性炎症性疾患である. 予後は一般に良好であるが, ぶどう膜炎が発症した際には失明率が高いことから早期診断が望ましい. 本例のように抗菌薬が無効であり, ステロイド投与開始で症状の軽快, 投与中止で症状の増悪を繰り返す症例ではベーチェット病を鑑別に挙げ, 適切に他科と連携をとり診断, 治療に当たる必要がある.
著者
長田 侑 鈴木 恵一郎 中島 玲子 堀地 直也 沢 丞
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.793-797, 2012

症例は92歳,女性.認知症のため老人施設に入所中.糖尿病の指摘歴はなかった.2011年6月9日から食思不振,10日から頻呼吸を認め,当院に救急搬送された.尿ケトン(2+),随時血糖値986 mg/d<i>l</i>,アニオンギャップ開大を伴う代謝性アシドーシスを認め,糖尿病性ケトアシドーシスと診断し,インスリン治療を開始し軽快した.HbA1c 6.4 %(以下HbA1cはNGSP値で表記(Diabetol Int 3(1):8-10, 2012. ))と上昇が乏しく,インスリン分泌能は枯渇しており,膵島関連抗体は陰性で,劇症1型糖尿病の診断基準に合致した.われわれの検索した範囲では,本例は他の病型を含めた1型糖尿病における国内最高齢での発症報告例となる.認知症を有する高齢者の劇症1型糖尿病では,本例のように典型的糖尿病症状を来たさない症例もあり,診療の上で留意すべきと思われた.<br>