著者
松田 希 小林 俊輔 宇川 義一
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.756-760, 2018 (Released:2018-12-21)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

症例は経過12年のパーキンソン病の77歳男性.発症4年後から絵画制作に没頭し,作品展を開催するまで上達した.しかし,発症11年後から人の顔を描く際に執拗に修正するようになり画風が変化した.当初の絵画制作への没頭は衝動制御障害(impulse control disorder; ICD)に起因し,後の画風変化はICDの増悪に加えて,運動性保続など前頭葉機能障害の関与も疑われた.