著者
松野 省吾 セーヨー サンティ 榊 剛史 檜野 安弘
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021)
巻号頁・発行日
pp.1D4OS3c01, 2021 (Released:2021-06-14)

企業におけるマーケティングコミュニケーションやニュースの発信など,様々な情報を幅広く伝達する上で,ソーシャルメディアによる情報拡散の影響は無視できなくなっている.特にエコーチャンバーやフェイクニュースの拡散などでは,ソーシャルメディアによる情報拡散が主要な役割を果たしていると言われている.本研究では,企業のPRやニュースの発信において,ソーシャルメディア上の情報拡散の規模がどのような要素が影響しているかを明らかにしていきたい.SNSにおいて社会に対して大きな影響力を持つ人物はインフルエンサーと呼ばれる.そこで,筆者らはインフルエンサーの性質を,1)投稿を拡散するユーザを多くもつユーザ.かつ,2)投稿数の多いユーザ(≅拡散を躊躇なくするユーザ)であると定義し,Twitterの記録から構築したソーシャルグラフを用いて投稿拡散への影響を検証した.その結果,いずれかの性質を持つユーザはランダムに選択したユーザよりも投稿の拡散される確率が高く,特に,プライベートグラフの中でフォロー/フォロワー数が少ないフォロワーを多く抱えるユーザの投稿は最も拡散される確率が高くなることが判った.
著者
佐藤 寛修 阿部 清彦 松野 省吾 大山 実
出版者
関東学院大学理工/建築・環境学会
雑誌
研究報告 = Journal of technological researches (ISSN:21886679)
巻号頁・発行日
vol.62, no.109, pp.49-54, 2019-03

筆者らは,肢体不自由者のコミュニケーション支援などを目的として,2種類の意図的な瞬き(随意性瞬目)の動作をユーザの入力意図として識別可能な,瞬目入力インタフェースを開発している.このインタフェースでは,2種類の入力意図にことなる機能をそれぞれ割り当てることができる.たとえば,通常の入力決定のほかに,誤り訂正の機能を割り当てることなどができる.そのため,2種類の瞬目識別を入力インタフェースとして適用することで,入力効率の改善が期待できる.本研究では,自然光下の画像処理によって眼球開口部の面積変化(瞬目波形)を解析する瞬目計測法を採用している.これまで,3種類の瞬目から得た瞬目波形の形状特徴パラメータを対象に,2種類の随意性瞬目の識別法を開発した.この瞬目種類識別法を視線入力システムの入力決定に採用し評価を行ったところ,瞬目種類の識別の誤りが散見された.本稿では,瞬目の新たな形状特徴パラメータをもちいた瞬目種類識別の結果を示す.また,その結果を用いて,新しい特徴パラメータとこれまでに採用していた特徴パラメータとの識別性能を比較する.
著者
松野 省吾 水木 栄 榊 剛史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.4Rin113, 2019 (Released:2019-06-01)

本稿では,筆者らの構築したTwitterをはじめとしたSNS上に存在する日本語の文章に対応する単語分散表現モデルを紹介する. 本モデルはSNSデータ,Wikipedia,Webページといった複数カテゴリを媒体とした日本語大規模コーパスから作成される.作成した単語分散表現モデルに対し,Speamanの順位相関係数を評価指標とした単語類似度算出タスクによる評価を実施したところ,wikipediaのみを学習コーパスとして用いたモデルと比較して7ポイント程度良い性能を得られた.本稿で紹介した単語分散表現モデルはWebサイトを通じて公開する予定であり,本モデルが活用されることで,SNSデータを対象とした自然言語処理研究が一層盛んになることを期待したい.