著者
佐藤 寛修 阿部 清彦 松野 省吾 大山 実
出版者
関東学院大学理工/建築・環境学会
雑誌
研究報告 = Journal of technological researches (ISSN:21886679)
巻号頁・発行日
vol.62, no.109, pp.49-54, 2019-03

筆者らは,肢体不自由者のコミュニケーション支援などを目的として,2種類の意図的な瞬き(随意性瞬目)の動作をユーザの入力意図として識別可能な,瞬目入力インタフェースを開発している.このインタフェースでは,2種類の入力意図にことなる機能をそれぞれ割り当てることができる.たとえば,通常の入力決定のほかに,誤り訂正の機能を割り当てることなどができる.そのため,2種類の瞬目識別を入力インタフェースとして適用することで,入力効率の改善が期待できる.本研究では,自然光下の画像処理によって眼球開口部の面積変化(瞬目波形)を解析する瞬目計測法を採用している.これまで,3種類の瞬目から得た瞬目波形の形状特徴パラメータを対象に,2種類の随意性瞬目の識別法を開発した.この瞬目種類識別法を視線入力システムの入力決定に採用し評価を行ったところ,瞬目種類の識別の誤りが散見された.本稿では,瞬目の新たな形状特徴パラメータをもちいた瞬目種類識別の結果を示す.また,その結果を用いて,新しい特徴パラメータとこれまでに採用していた特徴パラメータとの識別性能を比較する.
著者
阿部 清彦
出版者
関東学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

近年、重度肢体不自由者のコミュニケーションを支援するために、視線によりコンピュータを操作したり、文字などを入力する視線入力システムについての研究が行なわれている。視線入力システムを使用するには、画面に表示されたアイコンを視線で選択するだけでなく入力を決定する必要がある。本研究課題では、ユーザの視線と意識的な瞬目(随意性瞬目)を自動検出することにより、視線と瞬目のみで一般的なパソコンを操作するシステムを開発した。このシステムは、市販のビデオカメラとパソコンから構成されており、汎用性が高く安価である。
著者
阿部 清彦 大和田 厚祐 大井 尚一 大山 実
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.127, no.7, pp.1036-1042, 2007-07-01 (Released:2007-09-01)
参考文献数
17
被引用文献数
1 2

We have developed an eye-gaze input system for people with severe physical disabilities, such as amyotrophic lateral sclerosis (ALS) patients. This system utilizes a personal computer and a home video camera to detect eye-gaze under natural light. The system detects both vertical and horizontal eye-gaze by simple image analysis, and does not require special image processing units or sensors. We also developed the platform for eye-gaze input based on our system.In this paper, we propose a new web browsing system for physically disabled computer users as an application of the platform for eye-gaze input. The proposed web browsing system uses a method of direct indicator selection. The method categorizes indicators by their function. These indicators are hierarchized relations; users can select the felicitous function by switching indicators group. This system also analyzes the location of selectable object on web page, such as hyperlink, radio button, edit box, etc. This system stores the locations of these objects, in other words, the mouse cursor skips to the object of candidate input. Therefore it enables web browsing at a faster pace.
著者
佐藤 寛修 阿部 清彦 大山 実 大井 尚一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.507, pp.15-20, 2006-01-05
被引用文献数
7

筆者らは, 自然光下でビデオカメラ1台とパソコンのみによる, 重度肢体不自由者向けの視線入力システムについて研究している.その応用として, コミュニケーション支援を目的に, 12個で構成される複数の指標群を切り換えることにより文字を直接選択する方式の, かな漢字変換が可能な文字入力システムの開発についてすでに報告している.このシステムを拡張して, ファイル操作や各種アプリケーション操作などWindowsの汎用的な操作機能をもつ視線入力システムを開発した.本システムは日本語文字入力を含むWindowsのすべての操作が視線のみで可能であり, 汎用的なコンピュータ操作支援システムとして完成させることができた.