著者
石坂 雄平
出版者
関東学院大学理工/建築・環境学会
雑誌
研究報告 = Journal of technological researches (ISSN:21886679)
巻号頁・発行日
vol.63, no.110, pp.59-63, 2020-03

電子ジャーナル購読費用の高騰やオープンアクセス化が進展しない現状に対して,研究者や研究機関が不満を抱くことが多く,公共性を有する研究成果が研究資金の潤沢な国や機関に所属する人々しか享受できないのは深刻な問題である.この問題を解決するために,本研究では,研究者は当然のことながら世界中の誰もが学術論文の無料閲覧を可能とする,ブロックチェーンを基盤としたコンソーシアム型学術論文アーカイブシステムを提案し,初期的検討を行う.具体的には,アーカイブサーバにおけるデータ蓄積量および研究力スコアに準拠したコンセンサスアルゴリズムの概念を新たに提案する.また,メトカーフの法則を参照しながらビットコイン時価総額とアクティブユーザ数の間には正の相関があることを示し,提案システムのアクティブユーザ数を増やす仕掛けとして査読者にインセンティブとなる暗号通貨を与える方法を提示する.
著者
佐藤 寛修 阿部 清彦 松野 省吾 大山 実
出版者
関東学院大学理工/建築・環境学会
雑誌
研究報告 = Journal of technological researches (ISSN:21886679)
巻号頁・発行日
vol.62, no.109, pp.49-54, 2019-03

筆者らは,肢体不自由者のコミュニケーション支援などを目的として,2種類の意図的な瞬き(随意性瞬目)の動作をユーザの入力意図として識別可能な,瞬目入力インタフェースを開発している.このインタフェースでは,2種類の入力意図にことなる機能をそれぞれ割り当てることができる.たとえば,通常の入力決定のほかに,誤り訂正の機能を割り当てることなどができる.そのため,2種類の瞬目識別を入力インタフェースとして適用することで,入力効率の改善が期待できる.本研究では,自然光下の画像処理によって眼球開口部の面積変化(瞬目波形)を解析する瞬目計測法を採用している.これまで,3種類の瞬目から得た瞬目波形の形状特徴パラメータを対象に,2種類の随意性瞬目の識別法を開発した.この瞬目種類識別法を視線入力システムの入力決定に採用し評価を行ったところ,瞬目種類の識別の誤りが散見された.本稿では,瞬目の新たな形状特徴パラメータをもちいた瞬目種類識別の結果を示す.また,その結果を用いて,新しい特徴パラメータとこれまでに採用していた特徴パラメータとの識別性能を比較する.