著者
佐藤 亮一 板垣 健志 山口 芳雄 山田 寛喜
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.155, pp.97-102, 2008-07-17

本稿では,水面-抽水植物境界モデルに対してFDTD法による偏波散乱解析を行い,著者が以前の研究において提案したPOLSAR画像解析を用いた湿地帯水域観測手法の妥当性を検証する.提案の湿地帯水域観測手法は,ターゲットとなる湿地水域の水位が高い場合に,水域と周辺の抽水植物との境界部分から発生する2回反射散乱量が多くなることに着目して考案された.しかしながら,抽水植物の体積密度が極端に小さい場合,あるいは小さなレーダ照射角度の場合においても,強い2回反射散乱成分が検出可能かどうかはわからなかった.そこで本稿では,水域と周辺抽水植物との境界を簡易的にモデル化して,そのモデルに対してFDTD偏波散乱解析を実行し2回反射散乱成分の抽出が可能かどうかについての検証を行う.