著者
森山 敏文 中西 竜哉 山口 芳雄 山田 寛喜 藤本 京平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.94, no.140, pp.21-28, 1994-07-15
被引用文献数
1

この報告では,不均一媒質である雪に対してレーダポーラリメトリを適用した結果について述べる.レーダポーラリメトリとは,電波の持つベクトル性である偏波の情報を最大限に利用する技術である.今まで,単一周波数での理論展開が主体であった.しかし,広帯域レーダであるFM-CWレーダにもレーダポーラリメトリが適用でき,自由空間において物体の識別や強調,抑制などが行なえることがわかっている.しかし,雪のような不均一媒質中での適用は初めてである.今回は,FM-CWレーダを用いて実際に雪の中で測定を行ないレーダポーラリメトリのフィルタとしての有効性について検討した.
著者
山口 芳雄 グラブ シング 山田 寛喜 Yamaguchi Yoshio Gulab Singh Yamada Hiroyoshi
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.101, no.9, pp.638-647, 2018-09

災害監視や地球環境観測に偏波合成開口レーダ(PolSAR)が大きな役割を果たしつつある.PolSARから導かれる偏波データのCoherency行列には9個の2次統計量が含まれている.その利用法の一つに散乱メカニズムに基づいた散乱電力分解がある.Coherency行列を散乱モデル行列で展開することにより,各散乱電力を求める手法である.各散乱電力に基づいたカラー画像が作成できるので,理解しやすく,多くの手法が提案されてきた.本文では,その進展とともに最新の6成分分解手法について述べる.
著者
山口 芳雄 木村 晃治 山田 寛喜
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.58, pp.53-58, 2004-05-13

この報告は円偏波基底の相関係数を用いて,偏波画像の中の人工物体の検出を試みたものである.偏波画像の解析ツールにはいろいろな偏波パラメータがあるが,相関係数は統計処理によく使われ,基本的な量である.円偏波基底で相関係数を調べたところ,<Srr Sll^*>の項に無視できない位相項が含まれており,この項目が複雑な人工物からの散乱に対応していることが分かった.ここでは,その情報を用いて,特にレーダ照射方向に対して斜めに傾いているようなビル・建物などの検出に有効であることを示す.偏波画像解析にはPi-SARのデータを使用した.
著者
佐藤 亮一 板垣 健志 山口 芳雄 山田 寛喜
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.155, pp.97-102, 2008-07-17

本稿では,水面-抽水植物境界モデルに対してFDTD法による偏波散乱解析を行い,著者が以前の研究において提案したPOLSAR画像解析を用いた湿地帯水域観測手法の妥当性を検証する.提案の湿地帯水域観測手法は,ターゲットとなる湿地水域の水位が高い場合に,水域と周辺の抽水植物との境界部分から発生する2回反射散乱量が多くなることに着目して考案された.しかしながら,抽水植物の体積密度が極端に小さい場合,あるいは小さなレーダ照射角度の場合においても,強い2回反射散乱成分が検出可能かどうかはわからなかった.そこで本稿では,水域と周辺抽水植物との境界を簡易的にモデル化して,そのモデルに対してFDTD偏波散乱解析を実行し2回反射散乱成分の抽出が可能かどうかについての検証を行う.