著者
松田 豊稔 小田川 裕之 歌丸 集 川野 光則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.266, pp.187-192, 2011-10-20

Absorption and scattering of visible light by a cluster of nano-sized metal particles is numerically considered in connection with localized surface plasmons. The numerical technique employed here is based on the Generalized Multipole Technique (GMT) in which the fields inside and outside the particles are expanded in spherical vector wave functions. We first confirm the dipolar plasmon resonance in a nano-sized gold particle: the expansion coefficients of the 1^<st>-order spherical mode exhibit the characteristic of resonance when localized surface plasmons are excited on the nanoparticles. Next, we investigate the interaction between the surface plasmon modes on the nano-particles. It is well-know, that is, n that the interaction has large influence on the scattering and absorption of light by a cluster of nano-sized metal particles.
著者
田尻 秀幸 白石 偉久 近江 雅人 春名 正光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.95, no.459, pp.7-12, 1996-01-18
参考文献数
13

我々は前回のOPE研究会で、低コヒーレンス光干渉に基づく新たな屈折率nと厚さt同時測定法を提案した。本測定法では、干渉計の参照光ミラーに加えて、測定サンプルまたは集光レンズをも微動ステージ上に搭載して走査する。本稿では、測定サンプル走査法によるn、t同時測定の基礎実験結果を示し、その測定精度について検討する。現状の測定系では、厚さ〜1mmの透明板においで測定精度≧0.3%が得られ、提案した測定法の有効性を実証した。また、0.1μm/ステップのステージを用いれば、サンプル厚≧100μmで測定精度0.1%が十分に期待できる。
著者
中村 修二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.96, no.445, pp.31-36, 1997-01-17
参考文献数
21

InGaN多重量子井戸構造レーザーダイオードで初めて室温連続発振で27時間の寿命が達成された。しきいち電流と電圧はそれぞれ80mA、5.5Vまで減少させることができた。しきいち電流密度は3.6kA/cm^2とまだかなり高い。レーザー発光スペクトルではきれいに縦モードが室温連続発振の状態で観測された。縦モード間隔は0.0.42nmであり、これは計算値よりも少し小さい。発光ピーク波長は405.83nmであった。これは現存する室温連続発振する半導体レーザーの中では最短波長である。発振スペクトルの温度変化を測定すると大きなピーク波長のモードホッピングが観測された。キャリア寿命としきいちキャリア密度はそれぞれ10nsec、1-2×10^<20>/cm^3と見積もられた。
著者
豊嶋 守生 高山 佳久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.156, pp.21-26, 2010-07-22
被引用文献数
2

宇宙空間における通信は,空間的に離れた場所へ情報を伝送するために,通常電波が用いられている.しかし,近年,光ファイバ通信をはじめとする光学技術やレーザ技術の発達に伴い,レーザ光線つまり光波を用いて離れた宇宙機器間で通信を実現できる時代に突入した.電波も光波も同じ電磁波であるが,とりわけ宇宙における光波の利用は,使用レーザの周波数が非常に高いことに起因して,小型・軽量化,高速・大容量化などの特徴を有し,周波数資源の有効活用や法的規制が無いこともあり,電波よりも将来に向けて有望な手段である.欧州では,低高度軌道(LEO)の観測衛星と静止軌道(GEO)の衛星間において,既に2003年から50Mbpsの光通信回線が定常的に運用されている.日本においては,光通信機器を搭載した光衛星間通信衛星(OICETS)が2005年8月に打ち上げられ,欧州の衛星との間で光衛星間通信実験が成功裏に実施された.その後,世界の4局の光地上局(OGS)との間でOICETSを用いた衛星-光地上局間レーザ通信実験が実施され,各サイトにおけるレーザ伝搬データの取得に成功している.情報通信研究機構(NICT)では,これらの伝搬データを持ち寄り,伝搬モデルの構築に資するため,光地上局-OICETS間レーザ通信実験に関する国際ワークショップ2010(GOLCE2010)を主催し,スペインのテネリフェ島で2010年5月に開催した.GOLCE2010では,世界各国での宇宙光通信に関する活動状況も報告された.本稿では,GOLCE2010を通して,宇宙光通信に関する研究開発動向を紹介する.
著者
鄭 期太 花泉 修 柏田 伸也 シュアイブ イブラヒム 川瀬 賢司 川上 彰二郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.95, no.377, pp.79-84, 1995-11-21

MBE法により光励起面型光増幅器を作製した。サンプルは歪み補償したInGaAs well/InGaAlAs barrierの100周期のMQWである。励起光には波長1.45μmのLDを用いた。測定結果、長波長帯面型光増幅器としては初めて2dBを越す1パス・ゲイン(2.4dB)を得た。また、ファブリ・ペロー共振器構造にすることによってピーク・ゲイン8dB、動作波長帯域10nmを越す特性を持つ面型光増幅器の設計が可能であることを示した。
著者
草場 律 鵜澤 寛之 川村 智明 川合 健治 有川 勇輝 重松 智志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.142, pp.39-44, 2013-07-11

本稿では通信処理SoCの消費電力推定手法を提案する.提案手法は次の3つのステップから構成される.第1は消費電力に影響するビットレート,フレームレートおよび機能モードのようなパワーパラメータの抽出である.第2はいくつかの点でシミュレーションで求めた消費電力からパワーパラメータと1フレームあたりのエネルギーの関係の近似式(電力モデル)を作成することである.第3は近似式を用いて1フレームごとにエネルギーを加算することで消費電力を計算する.抽出した各パワーパラメータが消費電力にどの程度影響するかを実測で確認した.本手法とフル論理シミュレーションによる従来手法と比較を行い誤差±5%以内で計算速度は26,000倍になることを確認した.
著者
桑原 昭一郎 平野 章 増田 浩次 宮本 裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.429, pp.53-58, 2003-11-07

ダイナミックなパスプロビジョニングを行う光ネットワーキングに適したトーン変調CS-RZ自動波長分散等化技術を提案した。本方式を用いて分散の符号と絶対値の双方を検出し、広範囲、高精度に分散補償を行うことができる。本稿では、提案する方式の分散検出原理について述べ、その分散補償パフォーマンスを8x43 G WDM室内実験において検証した。また、420 km敷設分散シフトファイバ(DSF)を用いて43Gパスプロビジョニングの要素技術である自動分散補償のフィールド実験に成功したので報告する。
著者
稲場 肇 秋元 義明 小向 哲郎 中沢 正隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.349, pp.13-17, 2000-10-06
参考文献数
4

波長1.5μm帯の光源であるエルビウム添加光ファイバリングレーザ(EDFRL)は, 非常に狭い線幅, 低雑音, 十分な出力, 長寿命, アライメントフリーなどの多くの特長を持つが, 激しいモード競合や, それを抑えてもモードホップを避けるのが困難であるという短所を持つ.我々は光ファイバブラッググレーティング(FBG)を用いてEDFRLのモード競合を抑制した.そのEDFRLのモードホップフリー動作をFabry-Perotフィルタを用いて行い, その結果からモードホップの要因と対策について考察した.モードホップには隣接縦モード間のモードホップと大きなモードホップがあり, Fabrv-Perotフィルタのパラメータの最適化, 短い共振器長およびFBGの温調が重要であることがわかった.
著者
荒川 泰彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.98, pp.47-52, 2012-06-15
参考文献数
42

1982年に提案された量子ドットレーザは,結晶成長技術とデバイス物理に立脚しこれまで発展してきており,2011年度には55万台の1.3μm通信用レーザが市場に出荷された.本講演では,量子ドットレーザの30年間の歴史的発展について概観するともに,将来の展望を論じる.
著者
塩見 英久 岡村 康行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.114, no.142, pp.133-136, 2014-07-10

本報告は、数式処理を援用したFDTDソルバの実装について詳細に述べたものである。前回の報告を元にして、電磁界の6成分に対する計算が可能なソルバを実装した。ソルバは、ソルバの実行環境を実装したクラス、与えられたsympy数式からnumpyコードへと変換する機能を実装したクラス、マクスウェル方程式を差分化して所望の漸化式を導出することを支援するクラス、の3要素から構成される。変換クラスには、実行時の計算速度向上を考慮して、時不変パラメータを自動的に抽出して、時間発展計算の事前に計算しておく機能も追加した。基礎的なダイポールアンテナの解析により、ソルバが所望の動作をしていることを確認したので報告する。
著者
梅垣 真祐 桜井 渉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.97, no.312, pp.7-12, 1997-10-14

1次の電気光学効果(EO効果)を用いた導波路光変調素子用材料として, 加工性に優れた電場配向ポリマーの研究が盛んに進められている。一方, 有機結晶を用いた研究は放擲された感さえある。我々は, 大きなEO係数を有しているにもかかわらず, 微細加工に難のある有機結晶を利用する方法として, 電場誘起チャネル導波路によるEO光変調素子を検討している。本稿では, 目的の素子形態を用いて有機結晶MNAのEO係数およびその波長分散を測定した結果とチャネル型EO素子設計の指針について報告する。
著者
北山 研一 丸田 章博 吉田 悠来 DIAMANTOPOLOUS Nikolaos P. 中澤 昌哉 礒田 知基
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.448, pp.51-56, 2014-02-20

低次モードファイバ、特に2モードファイバ(TMF)を用いたモード多重伝送(MDM)について概説する。先ず70年の筆者等の低モード間群遅延(DMGD) TMFの発明を紹介し、WDM伝送のための広波長域でほぼ零DMGDを実現するためのDMGD補償TMF伝送路について述べ、LP_<01>, LP_<11>モード伝送の実験結果を示す。次にモードチャネル間のクロストークの影響を等化するためのTMF MIMO伝送システムについて、MIMOのディジタル信号処理に必要な計算量とDMGDの関係について論じ、チャネルインパルス応答の測定結果を示す。最後に、TMF MDMの導入シナリオの一例として、メトロ光ネットワークへの適用の可能性を議論し、さらにMDMノードの構成方法等を示す。
著者
酒井 渉 山内 博 國吉 繁一 飯塚 正明 酒井 正俊 工藤 一浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.296, pp.7-11, 2012-11-09

有機ELディスプレイとして優位性を有するアクティブマトリクス駆動型の新型構造素子を提案した。また駆動用トランジスタの半導体層として塗布型ZnO 系材料に着目し透明ZnOトランジスタを作製した。一般にZnO薄膜は熱処理を行うことで特性の向上が見込まれるが、プラスチック基板等に対応するためには加熱温度を可能なだけ低温化させることが望ましい。そこで今回はUV/O_3アシスト熱処理法を行い、プロセス温度の低温化を実現した。
著者
中尾 正史 奥 哲 田中 秀尚 横尾 篤 玉村 敏昭 益田 秀樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.99, no.499, pp.31-36, 1999-12-14

直接プレス法によるアルミ表面へのパタン形成及び陽極酸化法による自己組織化を利用して作製された高規則アルミナホールアレイ構造をドライエッチング技術により半導体に転写し、孔径揺らぎ2%という非常に均一な2次元の半導体ホールアレイを実現した。そのフォトニック結晶としての特性を明らかにすると共にFIBを用いて欠陥型微小光回路を作製し、偏波依存性をもった先導波特性を確認した。
著者
島 研介 酒井 哲弥 和田 朗 山内 良三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.98, no.472, pp.13-18, 1998-12-15
被引用文献数
22

長周期ファイバグレーティングにおいて, グレーティング中の任意の位置に任意の位相シフトを導入した位相シフト型長周期ファイバグレーティングの損失波長依存性について理論的に検討を行なった.続いてグレーティング中の一箇所においてグレーティングの間隔を変化させる方法で位相シフト型長周期ファイバグレーティングを試作し, その損失波長依存性について実験的にも確認した.位相シフト型長周期ファイバグレーティングをエルビウムドープファイバ増幅器の利得等化器に応用し, 単一の部品で波長24nmの広帯域において利得平坦度0.2dB以下を実現した.
著者
阿形 泰典 大田 建久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.448, pp.59-62, 2002-11-07
参考文献数
4

赤色領域の単一モードで発振する675nmCSP型半導体レーザと655nmVSIS型半導体レーザにおいて、レーザ増幅器を構成した。そしてマスターレーザの光をスレーブレーザ増幅器にTM偏光で注入し、入力光強度を変化させて出力特性を測定した。その際マスターレーザの入力光強度を動作電流を変化させると同時に波長の変化がともなうため、入力光強度を可変のNDフィルタで制御した。その結果、このTM光の増幅出力は入力光強度に依存して線形に増加し、それとは逆にTE出力は線形に減少していることがわかった。またこの実験結果に関するシミュレーションを合わせ行った結果、TEモードとTMモードの競合は強結合であることが判明した。
著者
斧原 聖史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.48, pp.19-22, 2010-05-14
参考文献数
23

3月に米国サンディエゴにて開催されたOFC/NFOEC2010について,光伝送システム関連(カテゴリーEおよびF)のトピックスを紹介する.光伝送システムでは,昨年12月に100Gb/sシステムの商用化が始まり,学会の興味は既にbeyond 100Gb/sに向いている.ポストデッドラインペーパーでは,ディジタル・コヒーレント技術による100Gb/sの伝送実験結果が多数報告され,今後の更なる大容量化の期待を予感させるものであった.また,電気分散補償,誤り訂正,光直交周波数分割多重にも記録更新などの新たな進展が見られ,注目を集めた.
著者
佐藤 亮一 板垣 健志 山口 芳雄 山田 寛喜
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.155, pp.97-102, 2008-07-17

本稿では,水面-抽水植物境界モデルに対してFDTD法による偏波散乱解析を行い,著者が以前の研究において提案したPOLSAR画像解析を用いた湿地帯水域観測手法の妥当性を検証する.提案の湿地帯水域観測手法は,ターゲットとなる湿地水域の水位が高い場合に,水域と周辺の抽水植物との境界部分から発生する2回反射散乱量が多くなることに着目して考案された.しかしながら,抽水植物の体積密度が極端に小さい場合,あるいは小さなレーダ照射角度の場合においても,強い2回反射散乱成分が検出可能かどうかはわからなかった.そこで本稿では,水域と周辺抽水植物との境界を簡易的にモデル化して,そのモデルに対してFDTD偏波散乱解析を実行し2回反射散乱成分の抽出が可能かどうかについての検証を行う.
著者
尾形 真史 依田 幸英 國分 泰雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.28, pp.11-16, 2004-04-16

本研究室では,超高屈折率差光導波路(HIC)を用いたマイクロリング共振器の高密度集積化ための製作技術として,バイアススパッタ成膜を利用した平坦化埋め込み技術を昨年度に開発していた.しかし,この方法ではコアをSiO_2などで完全に埋め込んでしまうため,コアとクラッドの屈折率差が小さくなり,マイクロリング共振器の放射損失が大きくなる問題があった.そこで本研究では,空気(真空)クラッド埋め込み構造を提案し,RFスパッタ成膜を用いてこの構造を簡単に実現するプロセスを開発した.この技術を用いて側方に空気クラッドを埋め込んだ積層マイクロリング共振器を製作したところ,リング半径5μmの素子から明瞭な共振スペクトルを観測し,FSR=31nmを実現した.また,従来のSiO_2で埋め込んだ構造と本研究の空気(真空)クラッドを側方に設けた埋め込み構造の両方を用いて,同じリング半径のマイクロリング共振器フィルタを製作して特性を比較したところ,本研究の素子は従来型に比べて狭帯域でスルーポート特性の阻止量も大きい良好な特性が得られた.この特性から共振器内損失を見積もったところ,本研究の素子では損失が10分の1に低減されたことが確認できた.
著者
川西 哲也 佐々木 雅英 及川 哲 井筒 雅之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.639, pp.7-12, 2001-02-16

往復動作逓倍変調の原理確認と、光周波数変換への応用を目指して、往復動作逓倍変調による光周波数変換を提案し、光変調器に供給する電気信号の周波数の6倍分の光周波数シフトの実験結果を報告する。周波数30GHzの高周波電気信号による180GHzの光周波数シフトの場合で、従来の光変調器の非線形性による高調波発生に比べ、約250倍の強度の光出力が得られた。