著者
林 智子
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究の目的は,患者心理の理解における看護師の患者心理推測方法の特徴と看護援助との関連を検討し、プログラムを開発することであった.総合病院に勤務する看護師を研究参加者とし,患者と看護師が登場する場面を刺激とした半構造化面接法によりデータを収集した.その結果,看護師は患者の行動を心理推測の根拠とするが,一つの目立つ患者の行動だけにとらわれてしまうと,妥当でない心理を推測する可能性が示された.さらに,患者心理と看護援助の関連では,楽観的心理の推測は妥当でない看護援助を導く危険性を示唆していた.