著者
高山 義浩 西島 健 小林 智子 小澤 幸子 岡田 邦彦
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.66, 2007

【緒言】佐久総合病院は長野県東部の農村地域に位置するエイズ治療拠点病院である。1986年から2006年までに85人の新規HIV感染者の受診があったが、とくに最近5年間では39人と急速に増大傾向となっている。そもそも長野県は新規HIV感染が人口10万人あたり1.26人/年(2002-2006年)であり、これは東京都の3.02人/年に次いで第2位と重点的に対策すべき地域に国により指定されている。ところが、佐久総合病院の診療圏については人口10万人あたり3.90人/年となることから、実は長野県のなかでも都市部ではなく、とりわけ農村部においてHIV感染が拡大している実態が浮き彫りとなる。こうした状況を受けて、長野県では『信州ストップエイズ作戦』が2006年より展開しており、県民へのエイズ危機への周知とHIV検査への誘導が一定の成果を収めつつある。しかし、全県的なHIV予防と診療の取り組みにもかかわらず、そのフレームによって救われない人々がいる。それは、外国人、とくに無資格滞在外国人である。農村地域におけるHIV感染の拡大を止めるためには、日本人のみならず外国人へも公平に保健医療サービスを提供してゆくことが重要であると我々は考えている。第1報では、まず具体的症例からその実態を紹介する。<BR>【症例】42歳、タイ人男性。約10年前に来日し、肉体労働に従事している無資格滞在外国人。2005年10月より倦怠感と咳を自覚。11月中旬、近医受診したところ、肺に結節影を指摘され、結核を疑われると同時にHIV抗体検査を施行された。同陽性のため、翌22日、当院紹介受診となる。精査により、脳結核腫を含む播種性結核により発症したエイズ(CD4 43/μL)と診断し、4剤による抗結核療法を開始した。約3ヶ月の治療経過で結核は軽快したが、抗HIV療法を含むこれ以上の治療継続は医療費の面からも困難と判断し、2006年4月に現地医療機関への紹介状を持たせてタイへ帰国させた。しかし、現地では医療機関を受診しないまま経過しており、東北部出身の村において2007年1月に永眠されたことを確認した。<BR>【考察】佐久総合病院の診療圏には、長野オリンピックをきっかけとした出稼ぎ目的の流入により無資格滞在の無保険外国人が多く、最近は親族不明の経済困窮者が目立つようになってきた。こうした人々のなかには、HIV感染者もいるが、エイズ発症ぎりぎりまで受診行動につながらない者が多い。本症例もまた、医学的・社会的に困難なエイズ発症例であったが、佐久総合病院で結核を含む日和見感染症の急性期治療をおこなった。その後は帰国支援により治療継続を期待したが、現地の医療につなげることができなかった。本症例のように、エイズ発症で医療機関を受診しても結局は死亡させてしまう経験を繰り返していると、「病院へ行ってもエイズは死ぬ病気」というイメージを外国人らに定着させてしまい、さらに受診行動を鈍くしてしまう結果となる。これは、本人の救命のみならず、感染拡大防止のための介入チャンスをも失わせるものである。よって、さらに現地の医療事情を把握し、現地の適切な医療機関、また経験豊富なNGOと密に連携してゆくことが求められている。しかし同時に、増加している無資格滞在外国人の健康問題について、国もしくは自治体行政による包括的対応も期待したい。
著者
小川 朋子 林 智子 井村 香積
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.5_65-5_74, 2016-12-20 (Released:2017-05-18)
参考文献数
25

本研究は,指導看護師が「成長が遅れている」ととらえた看護師の特徴と,行われている教育・支援を明らかにすることを目的として,指導看護師10名に対して半構造化インタビューを行った。その結果から,教育に携わる看護師は【A.学習の積み上げが困難】【B.看護実践に必要なスキルの不足】【C.安全性の欠如】【D.患者・職員との関係形成困難】【E.精神的脆弱さ】【F.看護職員としての自覚と責任ある行動の不足】がみられることを,「成長の遅れ」ととらえていることが明らかとなった。これらの特徴に対し指導看護師は,【①実践での指導】【②学習支援】【③対象理解と対象に合わせた指導】【④社会性の促進】【⑤主体性の促進】を「成長が遅れている看護師」本人に対して行うとともに,【⑥安全性の確保】【⑦環境の改善・調整】という支援で,勤務体制や職場の従来のやり方,自分たちの考え方などを変える取り組みも行っていた。
著者
中川 種昭 池上 暁子 鷺 二郎 伊藤 幸高 林 智子 大島 みどり 島 信博 山田 了
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.901-906, 1992-12-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
15
被引用文献数
2

本研究は, スクラビング方式の電動歯ブラシを用い, 刷掃時間, 振動数などの違いによるプラーク除去効果および手用歯ブラシとの比較検討を行った。被験者は本大学保存科医局員10名とした。プラークの付着状態を各条件のブラッシング前後で比較した結果, スクラビング方式の電動歯ブラシのプラーク除去効果は手用歯ブラシと同程度であり, 短時間で高い刷掃効果は得られなかった。刷掃時間は電動歯ブラシ, 手用歯ブラシともプラーク除去効果に与える影響が大きく, 刷掃時間が短いと刷掃効果は著しく低下し特に隣接面におけるプラーク除去効果の低下が認められた。
著者
平井 昂宏 貝沼 関志 林 智子 長谷川 和子 青山 正 水野 祥子 鈴木 章悟 西脇 公俊
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.647-650, 2016-11-01 (Released:2016-11-01)
参考文献数
10
被引用文献数
2

プロポフォール注入症候群(propofol infusion syndrome, PRIS)は,プロポフォール使用中に横紋筋融解,急性腎傷害(acute kidney injury, AKI),乳酸アシドーシス,脂質異常症などを来す症候群である。早期にPRISを疑いプロポフォール中止によって救命できた一例を経験した。症例は44歳の男性,スタンフォードA型大動脈解離に対して弓部置換術を行った。術後にプロポフォールを用いて鎮静を行っていたところ,血液生化学検査でCKが15,247 IU/lまで上昇し,AKI,乳酸アシドーシスを認めたためにPRISを強く疑った。プロポフォールの投与中止によりCKは速やかに減少し,AKI,乳酸アシドーシスも改善した。後に撮影されたCTで大腿から臀部の筋内に高吸収域を認め,横紋筋融解後の変化があった。プロポフォールの長期投与中はCK,pH,乳酸値などを定期的にモニタリングし,PRISを疑った場合は早期に他の鎮静薬への変更が必要であると考えられた。
著者
小林 智子 高山 義浩 小澤 幸子 岡田 邦彦
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第55回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.100, 2006 (Released:2006-11-06)

<緒言>エイズ動向委員会の報告によると、全国における2004年の新規HIV感染者数とエイズ患者数の報告数の合計が1165件となり、HIVに感染した人の総数が初めて10000件を超える報告数となった。これを都道府県別人口比で集計すると、長野県のHIV感染者数は東京に次いで2番目に多い報告数であった。さらに、新規AIDS発症者を人口比で集計すると、長野県は全国で1番多い報告数となった。とくに東信地域は県内でも患者数が多いとされる。これは、新幹線、高速道路など長野オリンピックに備えた建設ラッシュにおいて流入した外国人(肉体労働者とセックスワーカー)が、流行の引き金となったと考えられている。そこで東信地域に位置する当院の新規感染者の推移を示し、この地域のHIV蔓延の実態と対策について考察する。<結果>当院では、1986年10月より2006年3月までに79名の新規HIV感染者の受診があり、既知感染者3名の他院よりの紹介受診があった。これら82名の2006年4月1日現在における転帰内訳は、帰国支援 19名(タイ 18名、スリランカ 1名)、当院にて死亡 9名、他院へ紹介 3名、行方不明 8名、入院加療中 2名(HAART施行中 1名、帰国準備中 1名)、通院加療中 41名となっている。 2005年度に当院を受診した新規HIV感染者は9名であった。このうち8名がAIDS発症者であった。なお、その国籍・性別の内訳は、日本人男性 5名、タイ人男性 1名、タイ人女性 3名であった。 現在、当院にて加療中の患者43名の国籍・性別の内訳は、日本人男性 29名(平均年齢 49.0歳)、日本人女性 4名(同 45.0歳)、タイ人男性 1名、タイ人女性 8名、フィリピン人女性 1名である。<考察>当院における新規HIV感染者は急速に増加傾向であり、主に外国人女性から日本人男性へと感染拡大の様相を呈している。また、いわゆる「いきなりエイズ」が大半を占めており、受診する感染者が氷山の一角に過ぎないと推察される。さらに、近年の傾向として、日本人男性の発症が増加してきているが、今後は日本人女性へとその感染が蔓延してゆくことが危惧される。当院診療圏のHIVの広がりについて、楽観的な要素はほとんどなく、今後も新規感染者の報告数は増え続けるものと思われる。そこで当院では、熟年世代への啓蒙活動やセックスワーカーらを対象とした教育・検診活動を展開することを今年度の活動の柱のひとつとして位置づけ、現在取り組んでいるところである。またHIV感染症の早期発見のため、HIV診断のコツについて、地域医師会などと協力しながら、内科に限らず、皮膚科医、泌尿器科医、外科医などへの教育活動を展開してゆく方針としている。 またHIV診療の進歩により、その慢性期管理へと我々の診療も軸足が移りつつある。よって、高齢化しつつある感染者と家族を支えるサポート体制の充実も必要となってくることが予想されている。こうした変化に対しても、エイズ拠点病院として適時取り組んでいく必要があると考えている。
著者
会田 久仁子 角野 幸子 小林 智子 角野 猛
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.74-77, 1989-03-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
13

In order to clarify the bacterial contamination and sugar contents of wet Japanese-style confectioneries on the market, we examined 84 samples by inspecting total bacterial counts, coliform group, sucrose, glucose and fructose contents.The results obtained were as follows:1. The total bacterial counts were in the range of below 3.0×102/g to 9.1×106/g.2. Detection percentage of coliform group in Mushimono, Mochimono, Yakimono and Nerimono were 5.4%,40.9%,5.9% and 0%, respectively.3. Mean contents of sucrose of Mushimono, Mochimono, Yakimono and Nerimono were 299.8mg/g,289.1mg/g,311.2mg/g and 399.4mg/g, respectively.4. Mean contents of glucose and fructose of wet Japanese-style confectioneries were 7.3mg/g and 4.5 mg/g, respectively.
著者
渡邉 敬浩 菊地 博之 松田 りえ子 林 智子 赤木 浩一 手島 玲子
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.69-76, 2015-06-25 (Released:2015-07-08)
参考文献数
6
被引用文献数
1 7

魚介類のメチル水銀濃度には,一部の魚種を除き,食品衛生法により暫定的規制値が設定されている.われわれは,この暫定的規制値への適合判定に用いることが可能なメチル水銀定量法として,フェニル誘導体化を介したGC-MS法を開発し報告した.本論文では,試料の脱脂操作の追加,フェニル誘導体化条件の変更,またPEG200との共注入を主とする大幅な改良を加えることにより,より操作性が高くGC-MSへの負荷が小さな分析法を開発した.改良した分析法の性能は,認証標準試料(4種)ならびに鮮魚(2種)を基材とする添加試料を,2機関に所属する分析者3名が計画的に分析して得た分析値に基づき評価した.その結果,全試料と分析者3名の組合せを通じ,本分析法の真度は85~98%,室内精度(RSD%)は1.6~8.1%と推定され,これらの推定値が厚生労働省のガイドラインに示された目標値を満たすことから,妥当性を確認した.
著者
多久島 寛孝 山田 照子 林 智子
出版者
熊本保健科学大学
雑誌
保健科学研究誌 (ISSN:13487043)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.51-62, 2004-03-15
被引用文献数
1

「お待ちください」という言葉に対する患者・家族,看護師の意識を明らかにすることを目的に,口頭および文書で同意の得られた患者・家族100名および看護師46名に調査を行った。患者・家族には面接による聞き取り調査を,看護師には自記式調査用紙を用いて調査を行った。分析は,患者・家族が「お待ちください」と言われ待てると返答した時間および看護師が「お待ちください」と考える時間については有意差検定を行い,その他の項目については質的に分析した。その結果,1.患者・家族が「お待ちください」と言われ待てる時間は平均12.98分,看護師が「お待ちください」と考える時間は平均4.27分であり有意差があった。2.患者・家族は「お待ちください」と言われ思ったことは,【普通のこと】【すぐに対応してもらえない不満】であった。3.患者・家族は「お待ちください」と言われ不安に思ったことは,【行き場のない怒り】【見通しのつかなさ】【一方的な関係】であった。4.「お待ちください」の後に看護師に望む対応は,【安心感を得たい】【見通し】【信頼を望む】であった。5.待たせる場面での看護師の声かけの仕方は,【見通しのつかない示唆】【見通しのつく示唆】であった。6.看護師は,「お待ちください」をどう思って使用しているかは,【信頼の提供につながる支援】【罪悪感】であった。7.「お待ちください」を患者・家族がどう感じていると思うかは,【不信感への変化】【答えの出ない待ち時間】【我慢の強要】【裏切り】であった。
著者
菅野 真紀子 串田 真知子 田中 喜美代 土井 美智子 林 智子 藤田 紀代子
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌 (ISSN:18813968)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.24-25, 2007

Ehime University provides a Survival Course on three campuses (the Johoku campus, the Faculty of Agriculture campus, and the School of Medicine campus) as part of our support for students who have just arrived in Japan. The course consists of two parts: Language Skills and Life Skills. We have created an original textbook and this year it was revised in order to adjust the contents to each campus. We also added practical sections to raise the level of the students. This presentation will show the revised textbook and report on how it is used in the program.
著者
西島 健 高山 義浩 小林 智子 小澤 幸子 岡田 邦彦
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.67, 2007

【緒言】第2報では、2002年より2006年までの5年間に佐久総合病院を受診した新規HIV感染者について、AIDS発症者数、国籍、医療保険の有無、初診時受診契機、感染経路、転帰により分析する。そこから対策すべき課題を検討し、とくに佐久総合病院が実施もしくは検討している外国人感染者を対象としたHIV対策を紹介する。<BR>【結果】2002年1月より2006年12月までに39人の新規HIV感染者の受診があり、24人(61.5%)のAIDS発症者の受診があった。その国籍の内訳は、日本人27人(69.2%)、タイ人12人(30.8%)であった。また、タイ人感染者のうち医療保険のない者が6人(15%)を占めていた。これら39人の初診時契機は、AIDS関連疾患の発症 61.5%、その他の疾患による受診 17.9%、パートナー陽性のために検査 12.8%、妊娠時検査 7.7%であり、自主的に検査を受けて陽性が判明したケースは1例もなかった。感染経路は、84.6%が異性間性的接触であり、大多数を占めた。以下、同性間性的接触による感染 7.7%、薬物使用 2.6%、不詳 5.1%と続いた。また、その転帰は当院通院中 71.8%、死亡 10.3%、帰国支援 7.7%、行方不明 5.1%、他院に紹介 5.1%であった。<BR>【考察】農村地域ではHIV感染の拡大が進んでおり、いわゆる「いきなりエイズ」症例が全国と比しても高く、早期発見がすすんでいない状況が継続している。その背景には、自主的に検査を受けて判明するケースが認められないことからも、一般市民への啓発活動の遅れが大きな要因と考えられる。日本人については様々な施策が展開されつつある。しかし、次いで外国人への感染拡大が確認されるものの、無資格滞在外国人であることが少なくないため、自治体行政によるアプローチが困難となっている。よって、医療機関と地域のNGO活動との連携による展開が求められている。無資格滞在外国人の感染が判明した場合に、単に帰国させる対応では単なる感染者のたらい回しにすぎず、国内でもHIV検査を受けるように促すことができない。よって、陽性判明後に彼らが医療面・社会面において安心して受診できるシステムを事前に策定しておく必要がある。<BR>【提言】この地域でエイズ治療拠点病院として活動してきた佐久総合病院は、自治体や保健所などと連携して様々なHIV対策を実施もしくは検討している。しかしながら、外国人向けの対策は途上であり、感染増加の状況からも緊急の課題と考えている。これまでも外国人向けの医療相談会を年に2回程度実施してきたが、本年度より在日タイ国領事館と協力して佐久総合病院内に移動領事館を開設。このとき併せて、佐久総合病院として医療相談会を実施する方針としている。こうして、タイ人らへの社会的・身体的問題へ包括的に対応できる体制を整え、外国人らとの信頼関係を深めてゆきたい。また、無保険の外国人においてHIV感染が判明した場合、何らかの方式による医療費助成制度を策定し、帰国支援まで安定した医療サービスを提供できるようにしたいと考えている。
著者
二神 咲子 由井薗 陽一 槙林 智子
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.9, pp.624-629, 2015-09-10 (Released:2016-09-10)
参考文献数
8

The self-injection of insulin or GLP-1 receptor agonists causes mental distress to patients, and pen-type injectors and their needles are being continually developed and improved to alleviate such distress. In Saiseikai Fukuoka General Hospital, Nanopass® 34G Needle II 4 mm (T34) , the thinnest needle available on the market, has been used. To examine usability for patients after changing the injector needle from BD Micro-Fine PlusTM 31G 5 mm (BD31) or Nanopass® 33G Needle 5 mm (T33) to T34, a questionnaire survey was conducted. Sensitive patients perceived differences when changing their injector needles not only from BD31 to T34, with a difference of 3G, but also from T33 to T34, with a smaller difference of 1G. In both cases, patients' perceptions improved as a result of improvements in factors markedly influencing them: frequency of subcutaneous bleeding, pain when puncturing of the needle, and liquid leakage when removing the needle. The results of this study confirmed the usefulness of thinner and shorter injector needles to alleviate patients' distress, suggesting the necessity of considering their usability of needles during guidance on selfinjection.
著者
林 智子 上野 英二 伊藤 裕子 岡 尚男 尾関 尚子 板倉 裕子 山田 貞二 加賀美 忠明 梶田 厚生 藤田 次郎 小野 正男
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.356-362, 1999-10-05
参考文献数
18
被引用文献数
8

食品中のβ-カロテン及びトウガラシ色素の逆相TLC/スキャニグデンシトメトリーによる分析法を検討した. 食品から抽出後,β-カロテンはそのまま, トウガラシ色素はけん化して, C18カートリッジを用いて精製し, TLC (プレートは逆相C18, 展開溶媒はアセトニトリル-アセトン-<i>n</i>-ヘキサン=11:7:2) を実施した. 両色素ともに良好な分離と安定した<i>Rf</i>値が得られた. TLC上のスポットにスキャニングデンシトメータを用いたところ, 良好な可視部吸収スペクトルが得られ, 本法はβ-カロテン及びトウガラシ色素の分析に有効であることが明らかとなった.
著者
中西 恵理 林 有学 須藤 聖子 小林 智子
出版者
畿央大学
雑誌
畿央大学紀要 = Bulletin of Kio University (ISSN:13495534)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.51-58, 2019-12-31

基礎看護学領域において、学生がより主体的に自己学修にとりくむことや、臨地実習に対する自己効力感を高めることを目的として実施している「基礎看護技術自己学修会」への参加が、学生の臨地実習自己効力感にどのような影響を与えているのか検証した。結果から、基礎看護技術自己学修会に参加した学生の臨地実習自己効力感は、参加していない学生の臨地実習自己効力感より高い傾向にあることが示唆された。基礎看護技術自己学修会に参加することで、既修の基礎看護技術の習得状況に対する学生の自己評価を促し、技術練習することによって、臨地実習で基礎看護技術を実践することに対する学生の自信につながる可能性がある。
著者
田中 和重 落合 裕之 野田 喜寛 勝見 良子 小林 智子 石丸 智之 土屋 隆之
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 第25回九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
pp.54, 2003 (Released:2004-01-08)

足関節外側靭帯損傷は足関節の外傷中最多であり、捻挫をして治療を受けないまま放置し、繰り返し再発を来たして足関節に不安定性を呈し、習慣性捻挫や変形性関節症(以下OA)を来たす事が知られている。今回、陳旧性前距腓靭帯損傷に対し、薄筋での靭帯再建術を施行し、日常生活において装具除去は術後3ヶ月、レクリエーションレベルの運動は装具装着にて2.5_から_3ヶ月、競技レベルの運動は術後半年より開始とした。膝屈伸筋トルクの健側との比較も行い術後3ヶ月の時点で膝屈曲:64.0%(60°/sec)、67.3%(180°/sec)、伸展80.3%、96.4%へと改善見られた為、ジョギング開始。3.5ヶ月よりサイドステップを開始。6ヶ月で底屈筋力5/5となり安定性も良好な為、クラブレベルのスポーツ復帰した2症例を経験したので報告する。今回の術式は強固な安定性が得られる為、膝屈曲筋力と荷重時期に重きをおいた。膝の筋トルクを比較し、スポーツ復帰の1つの指標とした。1症例については足関節安定性が得られても、遊離軟骨や、OAを伴う症例は後療法が長期化し、不安定性が長期化した場合、軟骨損傷は避けられずOAへ移行する事が予想される。