著者
辻 洋志 林 江美 池田 宗一郎 玉置 淳子
出版者
独立行政法人 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
pp.JOSH-2021-0012-GI, (Released:2022-02-08)
参考文献数
57

日本では2020年1月からの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染拡大に伴い,職場では地域の感染状況や職場環境に合わせて適切な感染防止策を行う事が求められている.複数の学術・業界団体がガイドラインを発表し,防止策のアイデアが提供されているものの,現場ではすべての対策を講じることは現実的に困難である.効果の優れる対策を検討し,優先的に行う事が求められている.従来から職場の衛生管理では,複数の介入を組み合わせて,また介入は優先順位をつけて行う事を基本とする労働衛生管理モデルが広く利用されてきた.本稿では代表的な労働衛生管理モデルを改めて紹介する.また,それら労働衛生管理モデルを応用した,優先順位に基づく効率的な職場におけるCOVID-19対策について検討し,整理された対策視点を提案する.