著者
林 浩輝 梅原 英一 小川 祐樹
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.165-175, 2020

<p>本研究では,政治的コミュニケーションの新たな手段として期待されるSNSの中でもTwitterに着目し,意見の一極集中やアナウンスメント効果などの世論形成理論の成立の可能性を考察した。2015年5月に実施された大阪都構想のツイートを分析対象とし,トピック分析および新聞記事と比較することで,ツイートとアカウントを賛成と反対に分類した。これを用いて賛成および反対の投稿数及びアカウント数の推移を分析した。その結果,多数派認知がTwitterの投稿に影響を与えている可能性は確認できなかったものの,リツイートのネットワーク分析の結果では,賛成と反対が明確に分かれたネットワークが存在することが分かった。また次数中心性および媒介中心性が極端に高い少数のアカウントが存在することが確認できた。その結果,オピニオンリーダーの出現とアナウンスメント効果の成立の可能性を見出すことができた。</p>