- 著者
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林谷 啓美
鈴井 江三子
- 出版者
- 川崎医療福祉大学
- 雑誌
- 川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
- 巻号頁・発行日
- vol.19, no.1, pp.13-23, 2009
本稿では,不妊治療を受ける夫婦の身体的・精神的・社会的側面の問題と支援のあり方について,先行研究を基に論考した.不妊治療を受ける夫婦にとっては,治療そのものやホルモン療法による副作用や不妊治療にかかる高額な費用が,日常生活を脅かし大きなストレスとなっている.これらが関係に大きな影響を与えることが考えられる.不妊治療を受ける夫婦の心理的ストレスの実態や,ストレス対処,社会的支援については報告されるようになった.しかし,不妊治療を受けている夫婦の日常生活に焦点をあてた調査報告は見当たらない.夫婦で不妊治療を継続するためには,日常生活での役割や思いを明らかにし,看護師として今後の援助の方向性を見い出す必要がある.