著者
柳下 和夫
出版者
日本マクロエンジニアリング学会
雑誌
MACRO REVIEW (ISSN:09150560)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.2_31-2_36, 2010 (Released:2010-05-10)
参考文献数
3

この論文は沿海部の砂漠に雨を降らす方法の研究である。その方法は砂漠に近い海に黒い物質を浮かべ、太陽光の海面での反射と深海部への浸透を阻止し、海面で100%吸収させる。こうすることにより、黒い物質がなかった時よりも海水の蒸発が増え、海面上に水蒸気団を作ることが期待できる。砂漠に黒い物質を敷き詰め太陽光の反射を阻止する。こうすることにより、黒い物質がなかった時よりも地面の温度が上昇することが期待できる。地面温度が上昇すると、地面に接する空気は高温になり、軽くなり、上昇気流が発生する。上昇気流に海面上の水蒸気団が引き込まれて、上昇する。高空では低気圧なので、水蒸気団は断熱膨張し、温度が下がり、雲が発生し、雨が降ることが期待できる。残念ながら研究資金不足で、砂漠での実験はできなかった。その後世界のエネルギー事情と環境問題が激変したので、砂漠に雨を降らす方法の再現を願い、この論文を書く。
著者
柳下 和夫 若林 宏明
出版者
金沢工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

本研究は海に近い砂漠に雨を降らせようというものである。その方法は砂漠に近い海の表面に黒色物質を浮かべる。これが太陽光を全部吸収し海面の温度が上昇する。すると海水の蒸発が増える。一方砂漠にも黒色物質を撒いておくと太陽光が全部吸収される。すると地面の温度が上昇し空気は膨張し軽くなる。そして上昇気流となる.その下は低気圧になる。そこへ海上の水蒸気が流れ込んでくる。すると上昇気流に引きずられて上昇する。そして上空で断熱膨張し、温度が下がり雲ができて雨が降るというのである。海に浮かべる物質としてどんなものが良いかいくつかの材料をテストした。水道水と塩水で差はあるが黒色物質を浮かべると最高41%も蒸発が加速されることが分かった。一方砂漠の上にも黒色物質を撒くとどれくらい太陽光熱が吸収されるかを調べるために、世界各国の砂漠の砂を入手し光の反射率を測定した。その結果砂の色にもよるが1/3ないし2/3の反射率であった。これを黒く塗れば吸収されるエネルギーは1.5倍ないし3倍増え、その分だけ余計に空気を暖めることができる。また一度砂漠緑化に成功すれば、植物からの蒸発水分により、自然の雨が降って緑化が持続するかどうかを,好塩性植物によるシミュレーションしたところ雨量が増えることが分かった。上昇気流を起こすものとして,大火や雨乞いがあるが、その後雨が降ったかは定かではない。この方法で砂漠に雨を降らせば良いこと尽くめかというと、マイナス面もある。そこでテクノロジーアセスメントを行ない、問題点を抽出した。海の生態系に対する配慮が必要なことなどが分かった。海と砂漠の距離がどれくらい離れていても水蒸気が移動するかについては,実験に失敗し分からなかった。
著者
柳下 和夫
出版者
The Development Engineering Society of Japan
雑誌
開発工学 = Development engineering (ISSN:13437623)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.69-75, 2013-01-15

Consumption tax of 5% in Japan is comparatively low compared to other countries. But it is insufficient to cover her annual expenditure and the deficit is compensated by the publication of government bonds. However, the publication of government bonds became more than twice her GDP. Besides, there is criticism such as "unfair tax collection", "many tax evasions", "high tax collection cost". The author would like to propose a new "e-Tax" system utilizing ICT used in credit cards. The <e-Tax> utilizes electronic money instead of paper money being used now.<BR>The income tax can change tax rate from 0% for the low-income people to the highest tax rate for the high-income people at smoothly progressive rate. It can change tax rate according to the amount of accumulated income electronically and automatically from January 1st, to the present day. In addition, the consumption tax will be fixed 10% in 2015, but, in that case, the low-income people who use all the income to survive pays consumption tax of 10%, while the high income people, the consumption tax rate is lower than 10%, for they can save money without using the total income. This is reverse progressive taxation.<BR>The <e-Tax> can change tax rate automatically according to the amount of accumulation of the consumption from January 1st to the present day. It can solve the problem of the reverse progressive taxation. Because all these tax collection is performed by electronic money by ATM terminals and it is expected that tax collection cost will be much reduced without tax evasion.