著者
柳澤 吉保 高山 純一 滝澤 諭 轟 直希
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 第45回学術研究論文発表会 (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
pp.84, 2010 (Released:2010-10-26)

本研究では、(1)歩行者優先街路形状および交通条件に対する満足度に因子分析を適用することで街路空間評価の構成概念(潜在評価意識因子)を抽出する。(2)潜在評価意識因子を構成する満足度評価項目と道路交通条件実測データとの相関分析を行う。(3)共分散構造解析を適用することで、道路交通用件を多重因子、各満足度評価項目を多重指標としたMIMIC(Multiple_Indicator_Multiple_Cause_Modelの略。複数の観測変数によって構成概念が規定され、その構成概念が別の複数の観測変数に影響を与えているモデルであり、多重指標の観測変数を,他の多数の説明変数によって予測可能なモデル)モデルを構築する。(4)MIMICモデルに、過去の社会実験時の道路交通条件および改善策を代入し、それぞれ比較検討することで、望ましい歩行者優先街路空間の整備指針を提案する。
著者
和田 彩花 古本 吉倫 柳澤 吉保
出版者
長野工業高等専門学校
雑誌
長野工業高等専門学校紀要 = Memoirs of Nagano National College of Technology (ISSN:18829155)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.1-3, 2016-06-30

This study predicted the earthquake damage in Nagano city when the Sinanogawa-fault lines has been moved. This fault lines are located in the north area of Nagano Prefecture and serious damage in Nagano city is expected if the earthquake occurs. In this research, the firstly the seismic scales and the indexes of liquefaction on the ground are predicted based on earthquake scenarios which vary in the earthquake's magnitude. The secondly, the damage points of the road network, the number of collapse in a building and the casualties are estimated.
著者
柳澤 吉保 高山 純一
出版者
長野工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

中心市街地活性化への寄与に視点を当てた循環バス・コミュニティーバス運行支援システムの構築では、運賃、運行間隔、始発時刻繰り上げ・終発時刻の延長、移動時間などの運行サービスレベルと循環バス需要との関係を明らかにした。さらに循環バス需要関数を組み込んだ利用者便益と、運行コストからなる循環バスの社会的便益をモデル化し、社会的便益を最大化するサービス変数決定システムを構築し、長野市中心市街地循環バスに適用した。循環バス需要関数に、バス乗車拠点および訪問先の魅力度、訪問先までの到達のしやすさに関する説明要因を組み込み、循環バス導入の社会的便益評価を行った。その結果、規模あるいは乗り換えやすさ、移動拠点としての魅力も大きい循環バス乗車拠点をルートに含め、徒歩とバスの時間損失差が大きくなるような路線網の設定が市街地内トリップの増加に有効であることが分かった。バス利用者は乗車待ち時間損失を重視していることから、運行サービスでは運行間隔の設定が重要であることが分かった。インターモーダル輸送システム構築のための、乗り換え行動を考慮した、市街地内の回遊行動分析および回遊行動を支援するための巡回バスを中心とする公共交通システム導入の有効性を検証した。回遊手段の多くは徒歩であったが、徒歩は回遊行動範囲がある程度限られるため、移動および活動範囲が広がるような回遊行動を支援する手段の導入が必要であること、回遊行動を支援するための交通システムは駐車場整備、歩行空間の整備、巡回バスの導入要望が多く、巡回バスの導入は中心市街地活性化に寄与する可能性が高いことが分かった。また、乗り継ぎサービスの向上は、路線バスの運行時刻と運行ルートの改善が重要であることがわかった。中心市街地への移動中と、市街地内での移動では、市街地周辺の道路混雑、駐車場の満空、各手段の乗り継ぎ情報の提供が重要であることがわかった。ITSを活用したP&BR乗り換えシステムの構築では、出発前にシャトルバス利用を決定した観光客は、出発前には、シャトルバスへの運行案内情報を重視し、走行中にはすでにシャトルバスの利用を決定しているので、「駐車場経路誘導情報」、「運行時間帯」、「運行間隔」への重みが強いことが分かった。一方、走行中にシャトルバス利用を決定した観光客は、善光寺周辺交通案内地図を重視し、さらには駐車料金や満空情報などのシャトルバス利便性に関する情報も重視していることなどが分かった。