著者
岡田 勝也 杉山 友康 太田 直之 布川 修 柴田 英明
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.778, pp.111-124, 2004-12-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
28
被引用文献数
2 2

鉄道盛土では, 降雨時に発生する法面崩壊を防止するために法面表層に被覆工を施工することが多いが, この被覆工は従来, 侵食防止を主目的にしたものである. しかし, この機能以外にも, 盛土本体の豪雨時の地下水上昇抑制効果もある. 本論文は, 砂質盛土の法面被覆工が豪雨時の崩壊防止に及ぼす影響について検討した. まず, この法面被覆工の地下水抑制に及ぼす影響に着目した模型実験と, 実際の鉄道盛土の降雨浸透とすべり崩壊について論じた. これらの結果を受けて, 砂質土からなる複線鉄道盛土を対象として, 法面被覆工の施工長さなどをパラメーターに数値解析を行い, 被覆工の豪雨時の崩壊に及ぼす効果を定量的に論じるとともに, 限界雨量による危険度評価手法への適用について述べた.
著者
植松 美彦 戸梶 惠郎 戸崎 康成 柴田 英明
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会論文集 (ISSN:02884771)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.261-269, 2009 (Released:2009-10-23)
参考文献数
16
被引用文献数
4 7

Fatigue tests were conducted under fully reversed axial loading (R = -1) in laboratory air and 3% NaCl solution using friction stir welded (FSW) joints of 7075-T6 aluminium alloy sheets. The FSW joint exhibited lower tensile strength than the parent metal. Heat input during FSW process re-dissolved strengthening precipitates, resulting in softening in the weld zone and lower tensile strength. In laboratory air, the fatigue strength of the FSW joint was comparable to that of the parent metal, which could be attributed to grain refinement in the stir zone (SZ) and dynamic aging during fatigue loading in the softened weld zone. In 3% NaCl solution, the fatigue strength of the FSW joint was lower than that of the parent metal. Corrosion pits were preferentially formed at the boundary between thermo-mechanically affected zone (TMAZ) and heat affected zone (HAZ), which led to premature crack initiation in the FSW joint. Such predominant formation of corrosion pits was due to the sensitization caused by heat history during FSW process.
著者
柴田 英明
出版者
香川県農業試験場
雑誌
香川県農業試験場研究報告 = Bulletin of the Kagawa Prefecture Agricultural Experiment Station (ISSN:03748804)
巻号頁・発行日
no.65, pp.43-49, 2015-03

オイル用オリーブ果実の生産において,果実中の油分含量が価格決定における極めて大きな評価要素となる。しかしながら現実にはサンプリング採油を行うか長時間かけてソックスレー抽出法による分析を行うしかなく,少量収穫の場合,サンプリング採油や迅速な分析を行うことは困難である。また樹上での収穫適期の把握もサンプリング採油後の分析を行うほかなく,簡易かつ迅速な測定方法が求められている。また採油時には含油量,含水量により遠心分離用デカンターの調整を行っているため含水率の把握も求められている。近赤外線を果物や魚などに照射すると特定波長で照射光が吸収される。その吸収される強度(吸光度)は物質(糖・脂肪分など)の濃度に比例する。この性質を利用し,近赤外線分光分析器が非破壊かつ迅速な果実糖度や魚類の含脂肪率測定に用いられている。このことは岩元らにより報告されている。恩田らはスモモ果実の糖度,酸度,硬度について検討し,糖度,硬度における測定の可能性について報告している。オリーブ果実ではCayuela et al. がスペイン固有の品種である「Picual」種及び「Arbequina」種において果実中の含水率及び含油率について複数個の果実を用いて調査し,高い相関を見出している。しかし用いた分光光度計は大型で室内据え置き型であり,高価であることから簡易な測定には利用できない。一方,山内らはハンディータイプ近赤外線分光分析器FQA-NIRGUNを用いてマアジおよびその干物の脂肪測定を行い,原料魚用・干物用それぞれの検量線を作成し簡易測定に活用しており,吉田らは同じくFQA-NIRGUNを用いたメロン糖度の非破壊分析方法について報告している。そこで,本研究では収穫適期の簡易判定を目的にハンディータイプ近赤外線分光分析器FQA-NIRGUNを用いて,本県における主要オイル用オリーブ品種である「ミッション」「ルッカ」種の油分含量・水分含量について個々の果実から非破壊で評価する検量線及び複数品種および品種不明果実に用いる汎用検量線を作成したので報告する。