著者
柴田(石渡) 奈緒美 廣瀬 純子 宇田川 瑛里 中澤 暁輝 松田 寛子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.264-271, 2017 (Released:2017-12-21)
参考文献数
23
被引用文献数
1

調理における時間の短縮・簡略化の代表例として,米飯を冷凍保存し,電子レンジを用いて解凍する冷凍米飯が挙げられるが,アンケート調査により冷凍米飯の品質に不満を有している割合が高いことが報告されている。そこで本研究は炊飯後に米飯を冷ます工程に着目し,冷まし工程終了時と電子レンジ解凍後の含水率,物性値さらには食後の血糖値上昇度の指標となるeGI値を測定した。炊き立ての米飯の測定値を最も良い品質と仮定すると,冷まし工程を施さず,直ちに冷凍することで解凍後の含水率,かたさの全てにおいて炊き立ての数値と有意差がないことが分かった。また,冷まし工程を施す場合は冷まし工程時にラップで包装することで,炊き立ての品質に近い冷凍米飯を調製できることが示唆された。また,4種類の試料のeGI値は全て炊き立てと有意差がなかった。したがって,冷まし工程の有無に伴う米飯を摂取した際,食後の血糖値の上昇に影響を与えないことが示唆された。
著者
柴田(石渡) 奈緒美 向後 明里 松波 由奈
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.405-412, 2019

<p> 本研究では主要アレルゲンである鶏卵,小麦および牛乳を使用しないハンバーグの調理方法を検討した。</p><p> ハンバーグには鶏卵,パン粉および牛乳が使用されている。そこで鶏卵の代わりにすりおろした長芋と大和芋,パン粉と牛乳の代わりに豆腐とおからを使用した。その結果,卵,パン粉および牛乳の全てを1種類の食材で代替すると,焼成後ひき肉同士が接着されない,通常のハンバーグ(標準試料)と比較し有意に硬くなる等,同等な品質を担保できないことが明らかとなった。2種類の食材で代替すると,焼成後,ひき肉同士が接着されていた。また代替する豆腐の含水率を変化させることで,焼成後のハンバーグの硬さを調節できることが明らかとなった。これに対しておからを代替する食材として使用した場合,硬さを調節することは難しいことが示唆された。また大学生を対象とした官能評価より,長芋と30分水切りした豆腐を使用したハンバーグが,標準試料に近い品質であることが示唆された。</p>