著者
柴田(石渡) 奈緒美 廣瀬 純子 宇田川 瑛里 中澤 暁輝 松田 寛子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.264-271, 2017 (Released:2017-12-21)
参考文献数
23
被引用文献数
1

調理における時間の短縮・簡略化の代表例として,米飯を冷凍保存し,電子レンジを用いて解凍する冷凍米飯が挙げられるが,アンケート調査により冷凍米飯の品質に不満を有している割合が高いことが報告されている。そこで本研究は炊飯後に米飯を冷ます工程に着目し,冷まし工程終了時と電子レンジ解凍後の含水率,物性値さらには食後の血糖値上昇度の指標となるeGI値を測定した。炊き立ての米飯の測定値を最も良い品質と仮定すると,冷まし工程を施さず,直ちに冷凍することで解凍後の含水率,かたさの全てにおいて炊き立ての数値と有意差がないことが分かった。また,冷まし工程を施す場合は冷まし工程時にラップで包装することで,炊き立ての品質に近い冷凍米飯を調製できることが示唆された。また,4種類の試料のeGI値は全て炊き立てと有意差がなかった。したがって,冷まし工程の有無に伴う米飯を摂取した際,食後の血糖値の上昇に影響を与えないことが示唆された。
著者
松田 寛子
出版者
東京海洋大学
巻号頁・発行日
2009

東京海洋大学修士学位論文 平成21年度(2009) 食機能保全科学 第931号
著者
男澤 嶺 松田 寛子 熊崎 広大 田中 麻美子 宇田川 瑛里 西田 毅 白井 隆明
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.237-242, 2017 (Released:2017-04-27)
参考文献数
29
被引用文献数
2 2

The postprandial increase in blood triglyceride levels is an independent risk factor for coronary artery disease and a large number of studies has shown that a diet rich in vegetables may provide protection against many chronic diseases. Leaf vegetables generally contain β-carotene, zeaxanthin and chlorophyll including thylakoids. In this study, we investigated the bile acid-binding capacities of thylakoids in vitro and the suppressive effects of it before the administration of a lipid meal on postprandial hypertriglyceridemia in rats using oral fat tolerance/loading tests (OFTT). Consequently, thylakoids bound bile acids in a dose-dependent manner. Following the administration of the lipid meals, increases in the serum triglycerides levels were significantly reduced in rats fed 300 mg/kg bw of thylakoids just before lipid meals. Additionally, the area under the curve showed that a high-dose thylakoids significantly inhibited the absorption of dietary fat. Moreover, the level of fecal bile acid was significantly increased although there were no significant differences in the fecal volume and fecal total lipid levels. These results suggest that thylakoid intake before eating a lipid diet induces a suppressive effect of postprandial hypertriglyceridemia to defecate bile acid and confirmed the results of the health-promoting potential dietary thylakoids. This health benefit of thylakoids could be achieved by substantially increasing the consumption of vegetables.
著者
山田 加奈子 島本 国一 白 ろ 宮崎 直人 吉元 寧 松枝 博明 川邊 清隆 西田 毅 松田 寛子 白井 隆明
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.30, 2018

【目的】我々は、カボチャの主要品種である「えびす」のでん粉が果実内で急速に糖化し、食味が変化することを報告している。近年、消費者志向の変化をうけて、粉質感が強い品種の栽培が増えている。8品種のカボチャの貯蔵中の成分変化および嗜好評価をおこない、品種の特性を明らかにすることを目的とした。<br>【方法】北海道の同一圃場で収穫された5品種(えびす、北渡交4号、雪化粧、ジェジェJ、TC2A)および産地より調達した収穫日が既知の3品種(くりゆたか、くり将軍、プリメラ115)のカボチャをそれぞれ10℃および常温で貯蔵したものを試料として用いた。各試料について、収穫直後、1ヶ月または2ヶ月後の固形量や遊離糖組成を分析し、でん粉を抽出してラピッド・ビスコ・アナライザー(RVA)粘度特性などを測定した。また、各貯蔵期間における全ての試料を用い、カット後に蒸煮し冷凍貯蔵した試料を解凍して「パンプキンサラダ」を調製し官能評価をおこなった。<br>【結果】固形量は、経時的に減少し、でん粉の分解と呼吸により水分が増加したと考えられる。一方の遊離糖は、経時的に増加したが、還元糖とショ糖が同時に増加する「えびす」型と還元糖の増加が少なくショ糖を増加する「北渡交4号」型の2タイプが見られた。<br> 抽出でん粉の6%RVA粘度は、「えびす」では、貯蔵により粘度が低下したが、他の品種では、特有の粘度特性を持つが、貯蔵中の変化が小さかった。サラダの嗜好では、貯蔵と共に糖化が進んだ甘いだけ品種よりも、硬さや甘さのバランスが取れた品種の方が評価が高い傾向にあった。