著者
青山 怜史 須藤 翼 柿崎 洸佑 三上 修
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.11-18, 2017
被引用文献数
2

ハシボソガラス<i>Corvus corone</i>がクルミ(オニグルミ<i>Juglans mandshurica</i>の種子)を高い位置から投下して割って食べていることはよく知られている.ハシボソガラスが効率よくクルミを割るためには,どのくらいの重さのクルミをどれくらいの高さから何回落とすかが重要となる.そこで本研究では,ハシボソガラスのクルミ割り行動の基礎情報としてクルミの性質について理解することを目的とし,以下の3つを明らかにする実験を行った.(1)クルミはどの程度の高さから何回落とすことで割れるのか.(2)クルミの重さによって割れやすさに違いはあるのか.(3)クルミの外見の大きさ(殻の直径)およびクルミ(殻+子葉)の重さと,内部の子葉の重さに関係はあるのか.さらに簡易的に(4)ハシボソガラスは,重いクルミを選択するのかについても実験を行った.その結果,(1)落とす高さが高いほどクルミは割れやすい,(2)重さによって割れる確率に違いは見られないが,重いクルミは殻が欠けて割れ,軽いクルミは縫合線で割れる傾向がある,(3)重いあるいは大きなクルミほど可食部も重い,(4)ハシボソガラスは重いあるいは大きなクルミを選択的に持っていく,ことが明らかになった.
著者
須藤 翼 柿崎 洸佑 青山 怜史 三上 修
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.1-9, 2017 (Released:2017-05-13)
参考文献数
25

世界的に普通種の減少に注目が集まっている.普通種は個体数が多いため,その減少は生態系サービスに大きな影響を与えるからである.日本においては,普通種であり,かつ最も身近な鳥の1つであるスズメが減少していると言われている.これまでスズメの減少要因として,建物の建て代わりによってスズメが営巣できる隙間の数が減ったこと,都市の緑地が減って繁殖成績が下がったことが挙げられているが,どちらも間接的な証拠しかない.そこで本研究では,北海道函館市内の住宅地に10,000 m2の調査区を24設置し,緑地に近いかどうか,建物の隙間の数が多いかどうかによって,スズメの営巣数が異なるかどうかを検証した.AICを基準に,スズメの営巣数を説明するモデルを選択した結果,スズメの営巣数は,緑地が近くにあること,営巣できそうな換気口の数が多いこと,に正の影響を受けていることが示された.もしこの要因が確かなら,今後も,スズメの減少は続く可能性がある.都市における緑地は減少し,建物の建て替わりによってスズメが営巣できる隙間の数は減少すると予測されるからである.
著者
青山 怜史 須藤 翼 柿崎 洸佑 三上 修
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.11-18, 2017 (Released:2017-05-13)
参考文献数
27
被引用文献数
2

ハシボソガラスCorvus coroneがクルミ(オニグルミJuglans mandshuricaの種子)を高い位置から投下して割って食べていることはよく知られている.ハシボソガラスが効率よくクルミを割るためには,どのくらいの重さのクルミをどれくらいの高さから何回落とすかが重要となる.そこで本研究では,ハシボソガラスのクルミ割り行動の基礎情報としてクルミの性質について理解することを目的とし,以下の3つを明らかにする実験を行った.(1)クルミはどの程度の高さから何回落とすことで割れるのか.(2)クルミの重さによって割れやすさに違いはあるのか.(3)クルミの外見の大きさ(殻の直径)およびクルミ(殻+子葉)の重さと,内部の子葉の重さに関係はあるのか.さらに簡易的に(4)ハシボソガラスは,重いクルミを選択するのかについても実験を行った.その結果,(1)落とす高さが高いほどクルミは割れやすい,(2)重さによって割れる確率に違いは見られないが,重いクルミは殻が欠けて割れ,軽いクルミは縫合線で割れる傾向がある,(3)重いあるいは大きなクルミほど可食部も重い,(4)ハシボソガラスは重いあるいは大きなクルミを選択的に持っていく,ことが明らかになった.