著者
松岡 猛 栗原 秀夫 末藤 晴子 三浦 裕仁 日下部 裕子 穐山 浩 合田 幸広 一色 賢司 豊田 正武 日野 明寛
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.197-201, 2001-06-25
参考文献数
10
被引用文献数
4 30

現在我が国で,食品及び飼料として安全性の確認されていない遺伝子組換えトウモロコシCBH351系統を特異的に検知するプライマーを開発し,PCR条件を設計した.PCR用プライマーは,2又は3生物種由来のDNA配列部分を増幅するように設計し,安全性が確認されている他の遺伝子組換えトウモロコシ,ダイズ,コメ,コムギ,オオムギに対して偽陽性がなく,特異的な検知を行うことができた.検知下限を調べるため,CBH351粉末とnon-GMトウモロコシ粉末の混合試料を調製し,DNAを抽出後,PCRを行った.その結果,CBH351を0.05~0.1%混合したものまで検知可能であった.
著者
松岡 猛 栗原 秀夫 穐山 浩 三浦 裕仁 合田 幸広 日下部 裕子 一色 賢司 豊田 正武 日野 明寛
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.24-32, 2001-02-25
被引用文献数
18 86

我が国で食品, 飼料用として輸入可能な組換えトウモロコシ7系統のうち, 5系統からの組換え遺伝子の検知を, 既報のMultiplex PCR法に改良を加えて行った. ゲノムDNAの抽出は実験時間が短縮でき, 研究室・環境への安全性で優れているスピンカラムを用いる方法で行った. 組換えトウモロコシに導入されているDNA塩基配列を解析し, 各組換え系統とトウモロコシに内在的にある<i>zein</i>遺伝子を1回のPCRで特異的かつ確実に特定でき, トウモロコシ, ダイズ, コメ, コムギ, オオムギに対してfalse positiveなバンドが見られないプライマーの設計を行った. 非組換え体に組換え体5系統を混合しMultiplex PCRを行うと, 各組換え系統に特異的な長さのバンドが観察できた. 本法による検知感度を非組換え体粉砕物に5系統の組換え体粉砕物を混合して調べたところ, 0.5%程度であった.