著者
浅井 一久 渡辺 徹也 栩野 吉弘 鴨井 博 平田 一人
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.6, pp.1082-1088, 2015-06-10 (Released:2016-06-10)
参考文献数
8

喘息―COPDオーバーラップ症候群(ACOS)の頻度は,慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の20~50%程度にみられる.ACOSの喘息がコントロール不良で喘息発作を繰り返す場合,呼吸機能の悪化が早く,予後不良となる.禁煙,気管支拡張剤を中心とする薬物治療に加えて,吸入ステロイド薬(inhaled corticosteroid:ICS)を基本薬として長時間作用性気管支拡張薬の併用が有用である.本稿では,ACOSの病態や治療方法につき述べる.
著者
浅井 一久 栩野 吉弘 鴨井 博 平田 一人
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.23-28, 2015-04-30 (Released:2015-09-11)
参考文献数
14

生物は外界から食物として栄養を摂取し,生体の構築や生命活動のエネルギー源と成している.慢性の呼吸器疾患の代表である慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease; COPD)患者では,閉塞性換気障害やそれに基づく肺過膨張などにより呼吸負荷の増大があり,エネルギー消費が亢進している.他方,COPD患者では,呼吸困難などから食思低下を来たし,エネルギー摂取低下に陥ることがあり,負の栄養バランスを来して,「やせ」を認める事がある.やせはCOPD患者の予後と相関があり,呼吸リハビリテーション,運動療法,および栄養管理が望まれる.