著者
速水 洋 内田 敬 桜井 達也 藤田 慎一 三浦 和彦
出版者
公益社団法人大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.193-200, 2005-09-10
被引用文献数
5

1999年度に, SPMの全国平均の年平均濃度が急減し, 環境基準達成率が大きく改善された。この低濃度の実態を明らかにし, 気象要因を解析した。1999年度のSPMの全国平均濃度は, 月別には4月, 6〜8月, 2月に低かった。このうち7, 8月の濃度低下は関東で著しく, 週単位で低濃度が連続したことが特徴的であった。そこで1999年7, 8月の関東について気象解析を行ったところ, 月間値では他年に比べて強風, 多雨であり, 全月的な濃度低下との関連が示唆された。しかし, 低濃度が連続した期間では低濃度と降水, 風速との関連性は乏しく, むしろ, ほぼ同一風向の風が維持され, 太平洋からの清浄な空気が流入し続けたことが要因であると考えられた。