著者
桜田 一郎 坂口 康義 大隅 行彦 西野 潤
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子化學 (ISSN:00232556)
巻号頁・発行日
vol.19, no.210, pp.620-626, 1962-10-25 (Released:2010-10-14)
参考文献数
12
被引用文献数
2 2

アクリル酸を種々のpH値とモノマー濃度をもつ水溶液中で,(NH4) 2S2O8を開始剤に用いて50℃ で重合させた。得られたポリアクリル酸は電圧滴定挙動および溶解性が相互にかなり異なる。これらの結果は主としてこれらのポリマーの立体的形態の差異に基くものと考えられる。pH7付近の低モノマー濃度の水溶液中で重合されたポリアクリル酸は, よりシンジオタクチックであると考えられる。
著者
桜田 一郎 坂口 康義 細井 君平 福井 節也
出版者
The Society of Polymer Science, Japan
雑誌
高分子化學 (ISSN:00232556)
巻号頁・発行日
vol.17, no.177, pp.83-86, 1960

ポリビニルアルコールおよびそのモノクロル酢酸エステルを, モノクル酢酸と水との混合液中で塩酸を触媒として反応を行なった.その結果, エステル化とケン化の両反応の間に可逆平衡が存在して, 1官能分子と同一形式の平衡関係が成立すること, および反応は簡単な可逆2分子式にほぼ従って進行することを認めた。この反応の平衡定数ならびに速度定数は, メタノールのモノクロル酢酸化反応のそれらと同程度である。これらの結果は, ポリ酢酸ビニルのケン化機構に対する従来の考えを支持している。