著者
金塚 陽一 稲岡 万喜子 中澤 謙介 浅野 史織 森 泉 山口 滋紀
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.795-798, 2020 (Released:2020-11-27)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

37歳男性.頭痛でブロムワレリル尿素(Bromvalerylurea,以下BUと略記)を最大2,400 mg/日,11年間内服継続し歩行困難で入院した.皮疹,るいそう,認知機能,知能,注意機能低下,筋力低下,下肢振動覚低下あり.頭部MRIでびまん性脳萎縮,末梢神経伝導検査で神経伝導速度,活動電位低下を呈した.血中BU検出,ブロム高値で慢性BU中毒と診断した.BU服薬中止,補液で神経症状,皮疹は軽快し,末梢神経伝導検査所見も改善した.慢性BU中毒の末梢神経障害例の既報告は少なく,今回既報告例を交え報告する.
著者
山森 泉
出版者
北陸学院短期大学
雑誌
北陸学院短期大学紀要 = Bulletin of Hokuriku Gakuin Junior College (ISSN:02882795)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.139-151, 2006-12-01

基礎学力の低下、特に語彙力の低下は、高等教育機関における講義理解において大きな影響を与えている。そのため、教授する側は、学生の語彙力の実態やレベルを把握したうえで授業を進めていかねばならない。本稿では、高等教育機関において教授する側の参考とすることを目的に、高等学校国語の教科書に収録されており、ほとんどの高校生が学ぶ共通教材である小説「羅生門」の脚注の比較を行った。その結果、時代による差だけでなく、同時代であっても出版社により脚注を付けられた語に差異があるということが明らかになった。この結果を基に、授業時における説明の仕方を含め、今後の語彙指導のあり方を検討していかねばならない。