著者
山口 務 松平 紀恵
出版者
北陸学院短期大学
雑誌
北陸学院短期大学紀要 (ISSN:02882795)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.123-134, 2007-04-20

アイスクリーム類及び氷菓の細菌汚染状況を検査し、次の結果を得た。1)一般細菌の汚染率は、氷菓(100%)、ラクトアイス(87.5%)、アイスクリーム(75%)、アイスミルク(72%)の順序であり、乳脂肪成分の少ない氷菓、ラクトアイスがむしろ汚染率が高かった。その中の1試料(フルーツカクテルアイス)は2.5×10^5/gで、食品衛生法の規格基準(5×10^4/g以下)を大きく上回っていた。2)大腸菌群の汚染状況については、28試料のうちラクトアイス類の中の1試料が陽性を示した。上記基準では、大腸菌群は陰性であることとなっているので、この試料は基準を満たしていない。3)ブドウ球菌の汚染状況については、アイスミルク類及びラクトアイス類の中のそれぞれ1試料が陽性を示した。このどちらも非病原性ブドウ球菌であるが、食中毒菌である黄色ブドウ球菌と同属菌が検出されたことは、原材料、及び器械の殺菌等衛生管理を徹底する必要がある。4)腸炎ビブリオ菌の汚染状況については、すべての試料が陰性であった。5)実験前の予想に反して、乳成分の含有率と細菌数の間には相関は見られなかった。6)最近、家庭での手づくりアイスクリームに、サルモネラ菌による食中毒が発生しているが、その予防法について考察した。
著者
小林 正史 徳澤 啓一 長友 朋子 北野 博司
出版者
北陸学院短期大学
雑誌
北陸学院短期大学紀要 = Bulletin of Hokuriku Gakuin Junior College (ISSN:02882795)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.277-328, 2007-04-20

前稿では東北タイと北部タイの土器作り技術の違いを生み出した要因を検討し、自然環境の違いが強く影響していることを明らかにした。本稿ではこの結果を踏まえ、比較対象を東南アジア全体に広げて、5地域間の土器作り技術の違いを生み出した要因を検討した。その結果、稲作農耕民の土器作り技術の特徴であるタタキ成形と覆い型野焼きについて、以下の点が明らかとなった。第一に、成形手法は「円筒形の一次原形を叩きにより膨らませる」点で共通するが、円筒形の一次原形の作り方には中空円筒手法、紐積み、手びねり(+紐積み)などのバリエーションがあり、この順に上半部の形を完成品に近づけ、また器壁を締める効果が高まる。よって、その後の二次成形叩きはこの順に「叩きによる変形度」と「成形全体に占める叩き時間の比率」が小さくなる。叩き技法の重要性(形の変形度、サイクル数、成形作業に占める叩き時間の比率)に影響する要因として、(1)1日当り生産個数(叩き技法を多用する方が多め)、(2)乾燥時間(乾季のみ土器を作る場合は、叩きの重要性が高い成形手法により多数の土器を作ることができる)、(3)土器の大きさ(大きめの土器ほど叩きの重要性が高まる)、の3つがあげられた。第二に、覆い型野焼きでは「覆いの密閉度」と「薪燃料の多さ」が最も重要な要素となるが、覆いの密閉度は、(1)薪燃料の多さ(薪多用型ほど薪に着火しやすい工夫が必要)、(2)雨季にも野焼きを行うかどうか、(3)素地の砂含有量(砂が少ない素地では密閉度が高いほうが適する。密閉度の低い覆い型では急激な昇温に耐えるため、砂を多く含むか多孔質の素地が必要)、(4)樹脂コーティングや黒色化などのために熱い状態で取り出すかどうか、(5)硬質に焼き上げる必要性(窯焼き土器と競合する仏器が主体の曼斗村では高密閉の覆い型を用いる)などの多様な要因に影響されることがあきらかとなった。また、薪燃料多用型が可能になるか否か「薪の得やすさ」が大きく影響するが、薪の得やすさは「土器作りに対する男性の関与程度」と自然環境(都市近郊型か農村立地型か)という2要因に強く影響されることが示された。
著者
真砂 良則
出版者
北陸学院短期大学
雑誌
北陸学院短期大学紀要 (ISSN:02882795)
巻号頁・発行日
no.39, pp.189-198, 2007

2000年4月に発足した介護保険制度により、介護保険施設において施設サービス計画の作成が義務づけられた。施設利用者の重度化が進むなか、施設サービス計画の適切性や質をめぐる課題が指摘されるようになってきた。そこで、事例を通して、施設サービス計画の現状と課題を整理し、よりよい施設サービス計画のあり方について検討を行った。その結果、よりよい施設サービス計画とするには、(1)意思疎通が困難な利用者に対しては、非言語的なメッセージから想いを汲み取るために、プランニングやモニタリングにより、意識的なアプローチを行う必要性があること、(2)生活全体を視野に入れてニーズ把握をすること、(3)ニーズをポジティブに捉える場合は、本来の趣旨に則って行うこと、(4)プランニングに際しては、社会資源の積極的な活用と連携を行うこと、(5)新たなケアの方法を開発・工夫し個別化を図ることが重要であること、等の示唆を得た。今後は、介護支援専門員の役割やケアマネジメントシステムの面からも検討したい。
著者
米田 佐紀子 村上 好江 高田 功 リンチ ギャビン 前垣内 紀三子
出版者
北陸学院短期大学
雑誌
北陸学院短期大学紀要 (ISSN:02882795)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.241-255, 2006-12-01

The goal of our project is to evaluate and see how much and what Japanese elementary school children can learn in English classes in Japan using the Cambridge Young Learners English Tests as an assessment tool. This is a report on our project, which received a grant from Hokuriku Gakuin Junior College for the academic year of 2006. The elementary school's English education as EFL requires a lot of personnel effort and materials, but the fruit of the education has not been fully and objectively assessed. In this paper, we first see what effect the education at elementary schools has on that of junior high schools. We will then show details about the background of our subjects and, lastly, we will analyze and discuss the results of the Cambridge Young Learners English Tests held in May, 2006. In the analyses and discussions, we compare the results of our subjects with those of the Japanese examinees and Korean examinees. This allows us to evaluate the current English education in a single Japanese elementary school in terms of a certified world standard.The goal of our project is to evaluate and see how much and what Japanese elementary school children can learn in English classes in Japan using the Cambridge Young Learners English Tests as an assessment tool. This is a report on our project, which received a grant from Hokuriku Gakuin Junior College for the academic year of 2006. The elementary school's English education as EFL requires a lot of personnel effort and materials, but the fruit of the education has not been fully and objectively assessed. In this paper, we first see what effect the education at elementary schools has on that of junior high schools. We will then show details about the background of our subjects and, lastly, we will analyze and discuss the results of the Cambridge Young Learners English Tests held in May, 2006. In the analyses and discussions, we compare the results of our subjects with those of the Japanese examinees and Korean examinees. This allows us to evaluate the current English education in a single Japanese elementary school in terms of a certified world standard.
著者
山森 泉
出版者
北陸学院短期大学
雑誌
北陸学院短期大学紀要 = Bulletin of Hokuriku Gakuin Junior College (ISSN:02882795)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.139-151, 2006-12-01

基礎学力の低下、特に語彙力の低下は、高等教育機関における講義理解において大きな影響を与えている。そのため、教授する側は、学生の語彙力の実態やレベルを把握したうえで授業を進めていかねばならない。本稿では、高等教育機関において教授する側の参考とすることを目的に、高等学校国語の教科書に収録されており、ほとんどの高校生が学ぶ共通教材である小説「羅生門」の脚注の比較を行った。その結果、時代による差だけでなく、同時代であっても出版社により脚注を付けられた語に差異があるということが明らかになった。この結果を基に、授業時における説明の仕方を含め、今後の語彙指導のあり方を検討していかねばならない。
著者
菅原 創
出版者
北陸学院短期大学
雑誌
北陸学院短期大学紀要 (ISSN:02882795)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.57-65, 1998-12-28