著者
神戸 幸司 小田 佳史 宮地 裕之 細野 ひかる 小栗 早智 森 祐哉 丸岡 由衣 土井 麻由美 黒川 大樹 浦濱 善倫 大石 秀人 長谷川 俊典
出版者
特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
雑誌
日本急性血液浄化学会雑誌 (ISSN:21851085)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.121-124, 2018-12-01 (Released:2022-01-18)
参考文献数
6

今回偶発性低体温に対して血液透析にて復温した3症例を経験した。症例は,70~80歳代の男性。重症度は,軽度から重篤であった。軽度症例に対して,体外復温法を施行しながら早期改善を目的として,血液透析にて2.0℃/hr上昇を目安に体内復温法を併用した。2時間目にて全身発汗,不整脈,意識消失などのショックを生じた。この症例を踏まえ最重症例では,急速な復温による心室細動惹起などのリスクを避けるため透析液温を34℃,血液流量80mL/minから開始し直腸温30℃,意識改善を目安に終了した。サーモグラフィーFLIR i3(フリアーシステムズ社)を用いて脱血・返血側回路温を測定し,的確に透析液温を変更しながら管理した。復温による副作用の予防に,復温速度と慎重な体温管理が必要と思われた。
著者
森 祐哉 西山 正晃 米田 一路 渡部 徹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.78, no.7, pp.III_307-III_316, 2022 (Released:2023-03-10)
参考文献数
30

山形県庄内地方を流れる赤川,最上川から大腸菌を分離し,その分離株について,系統発生群の分類とその薬剤感受性を評価した.1年間のモニタリングにより,653株の大腸菌が得られ,7つの系統発生群のうち,病原性の高いB2群に最多の217株(33.2%)が分類された.全大腸菌分離株のうち,1薬剤以上に耐性を示した株は175株(26.8%)であり,第三世代セフェム系抗菌薬であるCTXやCAZや,カルバペネム系抗菌薬(IPM)に耐性を示し,ESBL産生菌やCREの疑いが高い株が存在した.また,66株(10.1%)が異なる3つ以上のグループの抗菌薬に耐性を示す多剤耐性菌であり,その中には合計7薬剤に耐性を示す株も存在した.大腸菌による汚染度の低い河川から上記のような薬剤耐性大腸菌が検出されたという事実は,環境中における耐性菌のモニタリングの重要性を示している.