著者
森 祐哉 西山 正晃 米田 一路 渡部 徹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.78, no.7, pp.III_307-III_316, 2022 (Released:2023-03-10)
参考文献数
30

山形県庄内地方を流れる赤川,最上川から大腸菌を分離し,その分離株について,系統発生群の分類とその薬剤感受性を評価した.1年間のモニタリングにより,653株の大腸菌が得られ,7つの系統発生群のうち,病原性の高いB2群に最多の217株(33.2%)が分類された.全大腸菌分離株のうち,1薬剤以上に耐性を示した株は175株(26.8%)であり,第三世代セフェム系抗菌薬であるCTXやCAZや,カルバペネム系抗菌薬(IPM)に耐性を示し,ESBL産生菌やCREの疑いが高い株が存在した.また,66株(10.1%)が異なる3つ以上のグループの抗菌薬に耐性を示す多剤耐性菌であり,その中には合計7薬剤に耐性を示す株も存在した.大腸菌による汚染度の低い河川から上記のような薬剤耐性大腸菌が検出されたという事実は,環境中における耐性菌のモニタリングの重要性を示している.

言及状況

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3月に新しい論文が出版されました. 山形県の河川から単離した大腸菌の薬剤耐性等について調べた研究になります. 共著者をはじめ,この研究に関わって下さった方々に感謝いたします. https://t.co/RBtSejUqoJ

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