著者
後藤 恵 梶 龍兒 森垣 龍馬
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

大脳基底核回路の中核的役割を演じる線条体にはストリオソームとマトリックスと呼ばれる2つの機能分画が存在する。研究期間内に、ジストニア症状を呈する遺伝子改変動物モデルまたヒト疾患モデルではドパミンD1受容体シグナルの低下がストリオソームに選択的に存在することを見出した。さらに、ジストニアを主症状とする線条体変性疾患ではストリオソーム優位の神経細胞脱落がみられるが、このコンパートメント特異性病変の形成にニューロペプチドYやPSD-95 などの神経保護因子の発現が関与していることを示した。これらの所見はジストニアの発現機序として私が提唱する“ストリオソーム仮説”と符号するものである。