著者
森川 真也 玉利 光太郎 谷口 千明 得丸 敬三
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.494-502, 2015-10-20 (Released:2015-10-20)
参考文献数
31
被引用文献数
15

【目的】本研究の目的は,通院・通所高齢者の短期的な生活空間の変化に影響する因子を明らかにすることである。【方法】対象は5 施設の通院・通所リハビリテーション利用者82 名とした。5 ヵ月間の追跡調査にて,従属変数は生活空間の狭小化または常時低活動域とした。測定項目は身体機能,医学的属性,人とのつながり,自己効力感,運動能力の変化量の計測を行った。また,基本属性と個別介入回数,調査開始前介入期間を交絡因子とした。統計処理は,階層的二項ロジスティック回帰分析にて影響因子を検討した後,検査特性を算出した。【結果】交絡因子調整後も握力,自己効力感が抽出された。このモデルの感度は82.6%,特異度72.2%,陽性尤度比2.97,陰性尤度比0.24 であった。【結論】生活空間が5 ヵ月後に狭小化,または低活動域から脱却できない通院・通所者の特徴として,握力,自己効力感が低いことが示唆された。
著者
天野 徹哉 玉利 光太郎 内田 茂博 伊藤 秀幸 田中 繁治 森川 真也
出版者
常葉大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では,人工膝関節全置換術(TKA)適用患者の身体機能と運動機能の測定を行い,(1)術後早期の機能回復を明らかにすること,(2)各機能の標準値について検討することを目的とした。本研究の結果より,術後14日目という短期間では,膝関節筋力・膝屈曲ROMと歩行速度は,術前機能まで回復しないことが明らかになった。また,各機能の関連因子を基に階級分けを行い,TKA前の身体機能検査と運動機能検査の標準値を算出した。本研究で得られた知見は,理学療法士が変形性膝関節症患者の機能低下を解釈する際の一助になるとともに,理学療法の効果判定をする際の目標値になると考える。