著者
赤澤 真理 伊永 陽子 田村 隆 森田 直美
出版者
京都
雑誌
総合文化研究所紀要 (ISSN:09100105)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.240-217, 2016

前号に引き続き、江戸後期の有職故実家である松岡行義の著作、『源氏類聚抄』(宮内庁書陵部蔵本(函号))の翻刻を呈する。本書は、『源氏物語』に示された建築・調度・装束等に関する有職故実書である。松岡行義(一七九四―一八四八)による有職故実書は、平安期文献を重視する原点回帰の姿勢、絵画や図面等により対象を視覚化することに特徴がある。本書は、管見の限り、松岡行義による『源氏物語』の有職故実書のなかで、最も大部である。本書は、『源氏物語』の読解のみならず、平安期における生活文化への探求、一九世紀における有職故実学の諸相を知る上でも重要となろう。研究ノート