著者
森田 真司 山澤 一誠 寺沢 征彦 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.5, pp.864-875, 2005-05-01
被引用文献数
36

カメラを使った遠隔監視においては, 環境を常に広範囲に撮影し, かつ注目対象の実時間での検出・追跡が求められる.環境を常に広範囲に撮影するために回転カメラを用いる方法や全方位画像センサを用いる方法が提案されている.前者では見回しに機械的な時間遅延が生じる.これに対し後者では観測者の視線変化からその方向の画像提示までの時間遅延が少ないが, 取得した全方位画像を直接, 計算機に伝送しており, ネットワークを介した実装には至っていなく, ビル全体など多くのセンサを必要とする環境には適用できない.本論文ではネットワークを介して複数の全方位画像を伝送する遠隔監視システムについて述べる.本システムは監視環境側をサーバ, 監視者側をクライアントとしたサーバ/クライアントモデルであり, サーバ側において移動物体の検出, クライアント側において移動物体の位置推定及び物体方向の画像提示による追跡を行う.また, ネットワークを利用した画像及び物体の検出情報の伝送を行うことで, クライアント側での一極集中型遠隔監視を実現する.
著者
森田 真司
出版者
群馬工業高等専門学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

研究目的任天堂社のWiiのリモコンは、加速度センサやCMOSセンサ等を搭載し、ワイヤレスをBluetoothで実現するなど多数の優れた機能を持つ。本研究はこのリモコンを他の分野への応用に関して研究することを目的とした。研究方法本研究ではWii本体の代わりにパソコンを利用しBluetoothで送受信するセンサ情報等のデータを解析し、リモコンの各機能を検証した。画面のポインタ操作のためテレビに設置するセンサバーは自作した。本研究ではセンサバーは固定と限定しない。またリモコン側を固定することも考慮に入れた。研究成果本研究の結果、加速度センサの角度の分解能は約1.4度でリモコンからの距離1mでは約2.4cm離れた2点を区別できる。但しリモコンを固定しなければ分解能以上に区別可能である。加速度は±3Gのレンジがあり分解能は0.23m/s^2である。CMOSセンサによる座標分解能は1024であった。以上を踏まえ、福祉、教育、日常生活、建築、スポーツ、レジャー、交通等様々な分野での応用事例を20案程作成した。但し内10案は加速度マンサやBluetooth等の応用が主で、リモコンそのままではなくリモコンや対象物に赤外線LED、GPS、レーダー、温度センサ等を取り付けて改良を施すことでより実践向きとなる。以下に福祉分野の例を簡単に挙げる。「手に障害を持つ人を対象とし、リモコンを頭に取り付け頭の動きでパソコンを制御する。空間上に仮想キーボードを展開しリモコンの位置でキー判定する。」一方でリモコンの使用には問題もある。最大の問題点はWii本体の代用が必要であることおよびソフトウェア開発で、前者はパソコンでの代用やマイコンの搭載等が考えられる。他にも赤外線の照度や遮蔽物等の各種センサの仕様上の問題がある。但し問題点の幾つかは波長フィルタ、リモコンコード等で対処可能であることが分かった。