- 著者
-
植下 協
桑山 忠
- 出版者
- 公益社団法人地盤工学会
- 雑誌
- 土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, no.2, 1977-06-15
廃棄物として排出されるものは, 家庭からの動植物性の残渣や紙くず・繊維くずなどの都市ゴミから製造業や建設業などからの各種産業廃棄物まで種々雑多である。これらが各種中間処理の実施によって最終処分されるときは, ガレキ類, 土砂類, 脱水スラッジおよび焼却灰類に区分できる。この4種類の最終処分されるときの廃棄物の比重, 強熱減量, PH, コンシステンシー, 締固め, CBR, 圧縮および粒度試験の結果を示し, 埋立て材料としての特性について説明した。次に, 東中島, 榎津および戸田埋立処分跡地を例に, 廃棄物の埋立処分跡地の利用状況と地盤の特性を述べた。これらはいずれも生ゴミにより埋立てられたものであるが, 地盤の沈下が大きい, 強度が不足, メタンガスが発生, 植樹が枯死するなどの問題が生じている。これらの問題のうち, 腐食性廃棄物に起因するものは中間処理態勢の強化により対処できる。また, 跡地利用を考えて, 今まで行なわれてきた投棄処分という考え方を改めて, 廃棄物による盛土土工として十分な管理のもとに埋立て処分を行なう必要がある。