- 著者
-
植村 優衣
齊藤 奈緒
多留 ちえみ
宮脇 郁子
- 出版者
- 日本慢性看護学会
- 雑誌
- 日本慢性看護学会誌 (ISSN:18822061)
- 巻号頁・発行日
- vol.15, no.1, pp.1_41-1_50, 2021-05-25 (Released:2021-05-25)
- 参考文献数
- 21
訪問看護師が訪問開始から看取り後に実践するグリーフケアを明らかにした.訪問看護師17名に半構造化面接を行い質的に分析した.訪問看護師は,訪問開始から【利用者らしく家での穏やかな時間を過ごせるように可能な限り心身の苦痛を緩和する】【家で24時間介護している家族の心身を支える】実践を行っていた.さらに,【利用者らしい生活が送れるように利用者と家族の価値観や思いを大切にして関わる】ようにしていた.その上で,【利用者と家族が納得してお別れできるように思い出を残す】【利用者と家族の心情に寄り添いながらお別れの準備ができるように関わる】を行い,【利用者と家族が望んだお別れができるように環境を整える】【遺族が新たな生活を送れるように共に故人を偲びつつ悲しみを分かち合う】に繋げていた.そして,これらの実践のために常に【利用者と家族がかけがえのない時間を過ごせるように責任と覚悟をもって全力で支える】を行っていた.本研究は,訪問看護師が実践するグリーフケアの実践を可視化できたと考える.