著者
植村 優衣 齊藤 奈緒 多留 ちえみ 宮脇 郁子
出版者
日本慢性看護学会
雑誌
日本慢性看護学会誌 (ISSN:18822061)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1_41-1_50, 2021-05-25 (Released:2021-05-25)
参考文献数
21

訪問看護師が訪問開始から看取り後に実践するグリーフケアを明らかにした.訪問看護師17名に半構造化面接を行い質的に分析した.訪問看護師は,訪問開始から【利用者らしく家での穏やかな時間を過ごせるように可能な限り心身の苦痛を緩和する】【家で24時間介護している家族の心身を支える】実践を行っていた.さらに,【利用者らしい生活が送れるように利用者と家族の価値観や思いを大切にして関わる】ようにしていた.その上で,【利用者と家族が納得してお別れできるように思い出を残す】【利用者と家族の心情に寄り添いながらお別れの準備ができるように関わる】を行い,【利用者と家族が望んだお別れができるように環境を整える】【遺族が新たな生活を送れるように共に故人を偲びつつ悲しみを分かち合う】に繋げていた.そして,これらの実践のために常に【利用者と家族がかけがえのない時間を過ごせるように責任と覚悟をもって全力で支える】を行っていた.本研究は,訪問看護師が実践するグリーフケアの実践を可視化できたと考える.
著者
塩谷 英之 宮脇 郁子 北野 貴美子
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究を通じてメタボリックシンドローム患者の運動介入に関しては運動量増加という観点から歩数の増加、体力増加などを積極的に支援していくことの重要性が明らかとなった。ただ運動量の増加だけでは不十分で一方では血圧低下の観点からはリラックスを主目的とした東洋的運動の効果も重要であり、日常生活にこれらの有酸素運動と東洋的運動をうまく組み合わせることで効果的な運動療法になると考えられた。したがって運動療法支援にはこれらの運動を組み合わせて支援することが重要と考えられた。
著者
加藤 浩子 宮脇 郁子 山崎 和夫
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.41-45, 1999

総合集中治療部で治療を要した産科患者の頻度,原因,転帰を調査し,産科重症患者の内容を分析した。1985~1996年に当院集中治療部に入室した産科患者は40名で,頻度は同時期の全ICU入室患者数の0.17%であった。入室理由は産科的合併症によるものが75%,内科疾患合併が25%で,主たる産科合併症は妊娠中毒症,分娩後出血,胎盤早期剥離であった。入室経路で比較すると,転送患者は院内患者に比し入室時のAPACHE IIスコア,妊娠中毒症の重症度,濃厚治療を要した合併症率が有意に高く,ICU在室日数も有意に長かった。40症例中26症例(65%)が1日でICUを退室し,死亡は羊水塞栓の1症例のみであった。産科重症患者は迅速かつ適切な処置を行えば予後は良好であり,その意味で集中治療部の存在の意義は大きい。産前管理の重要性が再認識されたとともに,今後妊娠中毒症の解明により重症患者の頻度の軽減が期待される。