著者
金子 充 臼井 浩子 宇田 詩織 大池 寿人 落合 彩映 神﨑 啓慎 検見﨑 誠矢 山田 南帆 守口 剛
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.20-37, 2015-09-30 (Released:2020-05-12)
参考文献数
25

近年,「○○女子」,「××男子」というラベリングを用いて,特定の趣味や嗜好を有する消費者を呼称することが多く見られるようになった。本稿では,これらのラベリングにより,消費者の消費障壁が低くなるのか,また,消費意向が高くなるのかを検証した。調査の結果,「◯◯女子」,「××男子」というラベリングにより,おおむね消費障壁が下がることが明らかになった。ただし,消費対象となる製品や消費行為の性別イメージが弱い時には,その効果は小さく,また,反対に消費障壁を高めてしまう可能性がある。また,他の消費者と一緒に消費する時や消費頻度が高い時に,ラベリングの効果が大きい傾向が見られた。本稿の結果から,「◯◯女子」,「××男子」というラベリングの効果は一様ではなく,マーケティング・コミュニケーションのターゲティングをより精緻に考える必要があることが示唆される。