著者
山本 征孝 藤本 康浩 森 義統 椿野 稔
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.248-254, 2015-10-01 (Released:2016-10-15)
参考文献数
20
被引用文献数
3

カットダウン可能な時期における急性期脳卒中片麻痺患者を対象に,長下肢装具(以下,KAFO)と短下肢装具(以下,AFO)のそれぞれを用いたリハビリテーションの治療効果の調査を行った.対象は急性期脳卒中片麻痺患者で,AFOを使用した歩行が可能な者14名とした.AFOを使用する群とKAFOを使用する群に対象を分け,練習前後で非麻痺側・麻痺側下肢最大荷重量,歩幅,歩行速度,歩行率を比較した.その結果,KAFO群では麻痺側下肢最大荷重量,歩行速度,歩幅が練習後において有意な差が認められた.KAFOを使用した立位・歩行練習はカットダウン可能な時期を経過した場合においても歩行能力や麻痺側下肢の支持性を即時的に改善することが示唆された.
著者
山本 征孝 島田 雄宇 椿野 稔 栗田 雄一 大宿 茂
雑誌
研究報告高齢社会デザイン(ASD) (ISSN:21894450)
巻号頁・発行日
vol.2015-ASD-3, no.7, pp.1-5, 2015-11-07

嚥下障害を有する患者にとって,頸部や肩甲帯・体幹の姿勢を変化・保持させることは重要である.病院ではベッド上で食事をすることもあり,体力の低下した高齢者では不安定なベッド上では姿勢が崩れやすく,嚥下が行いにくくなる.そこで,当院で入院している患者を対象に頸部・肩甲帯の位置関係が嚥下障害に及ぼす影響を調査し,頸部・肩甲帯を同時に調整できる嚥下補助装具を作成したため報告する.
著者
山本 征孝 藤本 康浩 森 義統 椿野 稔
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.64-66, 2017-01-01 (Released:2018-01-15)
参考文献数
9

慢性期脳卒中片麻痺患者1名を対象に,短下肢装具と腓腹筋への機能的電気刺激を併用した歩行練習の治療効果を検討した.シングルケースデザインのABA’B’デザインを使用し,短下肢装具を使用した歩行練習のみを行うA·A’期と短下肢装具と腓腹筋への機能的電気刺激を併用した歩行練習を行うB·B’期で治療効果の比較検討を行った.その結果,最大歩行速度,歩幅がB·B’期に増加する傾向を認めた.歩行率に関しては,いずれの時期においても変化は認められなかった.本症例において,短下肢装具と腓腹筋への機能的電気刺激を併用した歩行練習は,歩行能力の改善に有効であった.