著者
赤田 直輝 宗兼 将之 猪田 敬弘 神野 伸一郎 本村 信治 廣村 信 榎本 秀一
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.237-244, 2014 (Released:2014-10-31)
参考文献数
19

福島第一原子力発電所事故以来, 内部被ばくに対する放射線防護は喫緊の課題である。本研究では, 栄養補助食品のローヤルゼリーを投与したマウスの放射性セシウム, ヨウ素およびストロンチウムの体内動態の変化を, 複数分子同時イメージング装置 (GREI) および高純度ゲルマニウム半導体検出器を用いて評価した。事前に1週間ローヤルゼリーを経口投与したマウスに, 137Cs, 131Iおよび85Sr混合溶液を静脈注射投与した後, 組織分布を定量的に解析した結果, 甲状腺の131Iの蓄積が減少し, さらに全ての核種において尿中排泄量が増加する結果となった。GREI解析により得られた結果からも, 131Iの甲状腺への蓄積減少および全ての核種の膀胱への集積増加が観察された。これらの結果より, 内部被ばくの低減化が, ローヤルゼリーの持続的摂取で可能であり, GREIにより内部被ばく低減化をモニタリングできることが示唆された。