著者
根津 美智子 樋口 千鶴 鈴木 耕太
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.31, 2019

<p>【目的】ドレッシングの開発依頼を受け卒業演習で再度チャレンジを試みた。I・N社,Y銀行,大学との連携から商品化に至るまでの過程と今後の活動の在り方を探る。</p><p>【方法】(1)H29年3月に再度卒業演習生4名と手作りドレッシング20種の試食会後7種を選択し,更に3種類に絞りN社にて3サンプルを作成した。(2)7月に再び試食会を行い,1種類に決定したが更にごまの量を変更し,再度サンプル化した。(3)9月に再度試食会を行い更に粘度の調整を加え,商品化するためにドレッシングに合う野菜とそれを売り出すキャッチコピーも考えることにした。(4)10月にサンプルを学園祭で試食し好評だったことから商品化することを決定した。(5)12月に野菜サラダ内容とキャッチコピーを考案しロゴも決定した。(6)翌年1月野菜内容とキャッチコピー,ロゴを入れた市販サラダのサンプルが出来上がり,I企業の売り込み営業が始まった。</p><p>【結果および考察】H30年3月から山梨・長野・静岡のOスーパーから2種の野菜サラダが販売され,6月よりコンビニ・ミニストップ約1000店舗でも1種類が販売された。前回の課題からI社はN調味料会社に変更し,教員も課題を克服すべく早期から学生達の試食日を設定した。今回はI・N社との連携また学生達と2社との連携がスムーズで,ドレッシングだけでは特色が薄いことから学生中心の野菜サラダのトータルプロデュースを行ったことが良い結果を生み出した。各社と学生との連携が密であったことがいい結果になった。相互の話し合いと信頼感が重要であることを改めて認識した。演習活動の中で商品を生み出すことの難しさと各方面との連携の大切さについて学生達は学ぶことができた。</p>
著者
依田 萬代 根津 美智子 樋口 千鶴
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.26, 2014

【目的】近年、社会状況の大きな変化により日本の食生活が画一化され、各地の特産品を利用した郷土料理は薄れつつあり、又行事食も伝承力が薄らいでいる。そこで、今回はお正月料理を中心に伝承の現状について検討した。【方法】2009年11月~2013年11月の5年間の変化を山梨県内に存在する大学生及び保護者の合計1520名(回収率98%)を対象としてX<sup>2</sup>検定により分析した。【結果と考察】山梨県は地域性、気候風土も相まって地域に根ざした食文化を形成してきた。郷土料理のイメージとしての項目ではほうとう、地産地消、郷土愛の順であり、5年間の変化は4~5割とほうとうが最も高かった。郷土料理が減少傾向に対し、何とかしなければならないが56~75%と大幅に増加し郷土料理が減っていくことへの危機感を持ち継承の希薄化の回答も増加した。お正月料理の伝承者は6割が家族に教わり、調理時間を要す、材料の準備が大変、調理法が困難、価格が高いが示されお正月料理の工夫点としては色彩、味付け、地場産物、山梨県の特産品、栄養バランスを図る、海の物と山の物使用、盛り合わせの順であった。お正月関連行事では、七草粥やどんど焼き団子の摂取も平均で約60%と高かった。又、正月料理の作成率は65歳以上が最も高く、中でも金平牛蒡は各年齢共に70%以上の傾向が見られ、次いで雑煮餅であった。食文化の伝承には食教育の充実、産官学連携など食育活動の実践が大切である。今後も地域活性化に繋げ継続的、効果的な展開になるように取り組みたい。
著者
根津 美智子 樋口 千鶴 鈴木 耕太
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

<b>【目的】I企業からドレッシング開発依頼を受け演習で取り組んだ。</b><b>I</b><b>企業、</b><b>Y</b><b>銀行、大学との連携から商品化に至るまでの課題を見つけ、今後の活動の在り方を探る。</b><br /><b>【方法】時経列に取り組みと課題を示す</b><br /><b>①</b><b>2</b><b>7年</b><b>6</b><b>月レシピ作成後試食会</b> <b>②</b><b>8</b><b>月S調味料社にレシピ提出</b> <b>③</b><b>再度レシピ作成</b><b><sup>※</sup></b> <b>④</b><b>9</b><b>月</b><b>3</b><b>種をサンプル化</b> <b>⑤</b><b>学園祭にてサンプル試食会</b><b><sup>※</sup></b> <b>⑥</b><b>28</b><b>年</b><b>3</b><b>月新レシピ作成後試食会</b> <b>⑦</b><b>4</b><b>種をサンプル化</b> <b>⑧</b><b>7</b><b>月試食後</b><b>2</b><b>種を商品化</b> <b>チョレギドレッシング依頼も受け,3種の試食後サンプル化</b><b><sup>※</sup></b> <b>⑨</b><b>学園祭で</b><b>⑧</b><b>5</b><b>種の試食とアンケート調査を行う</b><b><sup>※</sup></b><b>。</b><b>⑩</b><b>3</b><b>種</b><b><sup>※</sup></b><b>商品化へ</b><b><sup> </sup></b><b><sup>※</sup></b><b>課題あり </b><br /><b>【結果】</b><b>①</b><b>を経てレシピを</b><b>S</b><b>社に提供。</b><b>③</b><b>商品化不可といわれ連携事業の難しさを知った。</b><b>S</b><b>社に商品化する為の勉強会を依頼し、再度レシピ開発</b> <b>④⑤</b><b>3</b><b>種類のサンプルを作ったが企業・銀行・大学側の連携が取れず年度内の商品化には至らなかった。</b><b>⑥</b><b>~</b><b>⑩</b><b>28</b><b>年に</b><b>3</b><b>種が商品化できる方向性となった。</b><b>S</b><b>社が加わることで急進展し商品化へ繋がった。学園祭で</b><b>5</b><b>種のサンプル試食会を行った。チョレギ</b><b>3</b><b>種の中では</b><b>57</b><b>%と嗜好度が高かったコチュジャン入りを商品化することになった。</b><br /><b>【まとめ】初回から</b><b>S</b><b>会社を加えた4者会議の重要性を感じた。互いへの情報提供を主にどこで行うか、メールを発信しても一方通行になる等、演習授業として進展する中で、どこが中心であるべきなのか戸惑った。利潤を追求し商売として展開する企業のあり方に対し、専門性を含め社会全般を教育する大学が中心となり、学生を主体とした情報発信が良い方向性をもたらしたのではないかと考える。本事業の体験から最も基本的なことであるが、何回も会議を開き連携を深めていくことが大切であることを学生は学んだ。</b>
著者
根津 美智子 依田 萬代 樋口 千鶴
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.24, 2012

【目的】山梨県と本学は2008年から連携事業を行っている。事業活動はゼミ演習が多く、本ゼミは県からの要請で本県特産品「あけの金時芋」の知名度向上とお菓子レシピ開発を行った。2010年から2011年の学生の取り組み内容を報告する。【方法】2010年にさつま芋に関するアンケート調査を行い、あけの金時芋のお菓子レシピの開発及び「やまなし食のマッチングフエァー2011年」に参加し、学園祭でお菓子販売と評価アンケートを行った。また、両2年間あけの金時芋の知名度調査(学生・主婦)を行った。【結果・考察】レシピ作成に当たり学生、主婦にアンケート調査を行った。さつま芋は学生、主婦共96%以上に好まれ、味では甘さが共に約7割好まれていた。どの位の頻度で食べるは、学生月1回34%、主婦週1から2回が68%で主婦層の摂取率が高かった。さつま芋料理は天ぷら、大学芋が両者共に約3割食べられ、その他の料理は少なかった。芋菓子として思いつくものは学生スィーツポテト70%、主婦47%次いで芋ケンピ学生、主婦共約2割でお菓子として知っている種類が少ないことが伺えた。あけの金時芋を使用したお菓子レシピを18種作成し「あけのサンドアイス」、「あけのボール」、「あけの李ナッツ」の3品を「やまなし食のマッチングフエアー2011」に出展し試食してもらった。「あけの李ナッツ」の評価が最も高く、学園祭でもこの3品を販売した「あけの李ナッツ」の評価が高かった。併せてあけの金時芋の宣伝・販売も行った。2010年の知名度は学生15%、主婦25%、2011年では学生54%、主婦42%と学内での指導、メデァ、新聞等の情報発信などから知名度の向上は見られたが、更なる宣伝活動が必要と感じた。販路開拓には市場調査・分析、価格設定、広告・宣伝などの広報活動などのマーケティングが重要であると感じた。